2年前に福井県にある縄文前期(六千~五千年前)の鳥浜貝塚に行った時、展示されている出土丸木舟を観てSUP(スタンドアップ・パドル・ボード)に似ていると思ったと書いた。
出土した丸木舟の船縁の高さが10~20㎝前後しかなかったのだ。
博物館でレプリカを作って漕いでみたら、静水面でもグラグラとバランスが悪かったそうだ。
形はSUPに似ているから、立って漕げば多少のウネリでも平気なのではないだろうか・・・?
SUPとは、20年くらい前にハワイで考案されたマリンスポーツで、専用のサーフボードに立って漕ぐカヌーとサーフボードの中間のような遊びである。長距離ツーリングや波乗りもできちゃうからハワイで流行っているのだ。軽トラ用のキャリアー自作。
縄文カヌーによる上越航海が終わって、やっと余裕が出てきたので中古SUPを入手した。
こいつで訓練して、梅雨が明けたら鳥浜貝塚のレプリカで立って漕げるかどうか試させてくれいと懇意にしている鳥浜の学芸員さんに頼んだらあっさりOKとなった。
この数日はサップで毎日5キロ程度漕ぐ訓練を続けている。
沖合は北ウネリが膝~腰くらいまであるから、初心者にはハードなコンディションだが沈は波打ち際で2回ほどしかしていない。
糸魚川の海は海岸段丘が発達しているから、波打ち際で波が巻いて難しいのだ。
同じピッチで漕いでいても、他人が見ても分らないほどの微妙なパドル操作や足裏の加重加減で方向が変えられるようになってきたので愉しい。
沖に出る時はウネリを超える度にドヨンドヨンとボードが撓む。
もっと滑らかに超えないと速度と体力のロスになる・・・。
岸に替える時にはウネリに乗って時速10キロを記録。
同じ海況で上級者なら時速15キロは出せるだろう・・・課題山積み。
SUPのパドル。立って漕ぐから長さは2m前後ある。黒いのがカーボン製。木製のが一隻目丸木舟「小滝丸」を作った時の端材から作った唐檜製。自作したパドルは重いけど、意外に漕ぎやすかった。
微妙なカーブに惚れ惚れとする・・・と自画自賛。縄文カヌーのパドルにもこんな曲線にしてある。カーブのある方を手前にして漕ぐのが沖縄のサバニから学んだ海人の知恵。
昨日は青年会議所のノブちゃんが沖にいる俺を見つけて駆け寄って来たのでサップに初挑戦してもらった。
ウネリのある海での初めてのサップだから無理もないが、派手にこけるばかりで立てなかったので、俺もいつの間にか初心者でなくなりつつあるんだろう。
といっても俺はまだ時間にして4時間程度しか漕いでいないと思う。
帰り仕度してたら、サップの横にヒスイが落ちていた。県外からヒスイを拾いに来たヒスイハンターさん達と拾ったヒスイの見せ合いっこ。海にいるといろんな人と友達になれるから愉しい。海は社交場だね。
知人のW女史が糸魚川に講演に訪れたキャスターの伊藤聡子さんを連れて散歩に来ていたので立ち話。W女史と伊藤さんは幼馴染で、糸魚川のパワースポット巡りしてきた帰りだとか。縄文土器の模様についての質問を受ける。
局部的な筋肉痛はないが、全身に心地の良い疲労感があってやたら眠い。面白いから気づかないけど、体は疲れつつあるんだろう。よく眠れる。継続は力なり・・・焦らず訓練しよう。訓練している押上の浜は自宅から車で五分ほど。