21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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田んぼの除草にチェーンを引きずるって?・・・農業は面白いぞ!

今日、近所に住む高校の美術部の後輩が遊びに来たのだが、彼の家も兼業農家で、田植え後の除草に苦労しているというので簡単な除草方法を伝授してやった。

と言っても、俺もまだ試した事は無いので効果の程は数ヵ月後でないと不明である。

実際に田んぼ仕事をした事のある人なら良く理解できると思うが、耕運機や稲刈り機のある現代の一般的な農家では、農作業で一番大変なのが田植え後の雑草取りなのだ。
ヒエやコナギといった雑草は稲と同じ環境を好むので、放っておくとえらい勢いで繁殖する。
こいつを取っておかないと稲の養分が足りずに育ちが悪くなり、実りも悪くなるから大問題なのである。
田んぼを知らない人から見ると、田んぼ仕事というと田植えや稲刈りを連想すると思うが、それらは人手はかかるが労働的には楽で、普段は孤独な作業の多い田んぼ仕事でも人手が多いので賑やかで楽しいハレの仕事なのだ。振る舞いのオヤツやご馳走も出る。

そこで除草となるのだが、その仕事は蒸し暑い中を腰をかがめて田んぼを這いずり回らなければならない重労働だ。腰がすぐに痛くなる。
稲もどんどんと生長するので、稲を折らない様に気を使い、おまけに稲の穂先で顔や首筋、腕がちくちくと刺されて痒くなったりもする。

それが嫌なら除草剤散布、というのが一般的なのだが、俺たちの様に除草剤は使いたく無いという場合は、嫌でも手で除草するしかないのである。

くだんの除草方法だが、日本で初めて林檎の無農薬栽培に成功した青森の林檎農家である木村秋則さんの著書に紹介されていた方法である。
なんと田植えの数日後に、田んぼの上を車のタイヤのチェーンをズルズルと引きずって歩くというのだ。
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チェーン除草機
廃材使用率100%の試作1号。
ちょっと怖いが、木のフレームに紐を付けて苗の上を引きずって歩くだけ。
竹箒でも作ってみて、どれが効果があるか試す予定。



当然、まだ10センチ前後の稲苗はチェーンに倒されてしまうのだが、2~3日で元に戻ってくるだけの生命力があるのだという。
そして稲苗は「踏まれた事で強くなる」という性質があって、逆にヒエやコナギは根っこから抜けてくるらしい。
これを一週間おきに3回するだけとの事。
前提条件として、春先の田起しをなるたけ浅く荒く行なわなければならないという、これまでの常識と間逆な工夫が必要らしい。頭の固い人にはちょっと真似出来ない事だ。
それと田植え後は5cmから10cmの水深の深めに水を張る事。
木村さんはこの方法で、除草が大変なのでもう田んぼは止める、という老夫婦を再び田んぼ仕事に復帰させたのだ、と書いていた。

そして偉大な出版社である農文協の月刊誌「現代農業5月号」では、各地の農家が工夫を凝らした田んぼ除草の実例の特集記事が出ている。
ある農家は300円の竹箒を2本使った人力除草機を、ある大規模農家は耕運機にチェーンを付けて引張っる式の動力除草機といった具合に、各人各様の工夫の為所が、土地柄や田んぼの規模、人柄などが浮き彫りになってきて実に面白いのである。

俺も本格的に個人で農業をするのは初めてだが、この2ヶ月間は農業三昧である。
やってみて分かったのは農業という仕事は個人の工夫の為所が満載で、サラリーマンするよりずっと面白いという事だ。
俺も昔は一部上場企業のサラリーマンだった事がある。セメントメーカーの研究員だ。
その次が橋梁の設計技師、建築リフォーム店の店長、神奈川県の藤沢土木事務所で護岸設計の非常勤職員をしていた事もある。・・・トモちゃん、読んでるか~?・・・
アルバイトに至っては江ノ島の磯料理屋で板前、板金屋、植木屋、大工、建築会社の営業(打合せ・設計・見積・現場管理)など様々の仕事を経験してきた。

そして現在は研修生として糸魚川の隣りの上越市にある総合農場で経験を積ませてもらっているが、百姓とは百の仕事をする人とはよく言ったもんで、この仕事はこれまでの経験が随所に活かされていくのだ。

ある時は壊れたコンクリート枡の修理で左官屋、ある時はヤギの柵の補修で大工、ある時は納屋のトタンの補修で板金屋、ある時は用水路の泥上げ掃除で土方、ある時は加工品の餅を搗く餅屋といった様に、総合的な農業をするには色々な仕事が必要になってくる。
先日は籾殻を焼いて燻炭(クンタン 土の改良材に最適)を作ったから炭屋もやった事になる。
これは面白かった。俺個人の勉強なので、朝5時半から始めて仕事の合間に様子を見ながら、夕方から夢中になって気が付いたら夜の11時になっていた。まったく疲れも空腹も感じない位に楽しかった。
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燻炭製作風景
三角錐の煙突ベース中で焚火をして煙突を差込み、あとは籾殻を被せて籾殻が焼けるのを待つ。焼け過ぎると白い灰になってしまうので、均一に黒い炭化状態になるように切り返すタイミングが肝心。

それに社長から余剰気味の卵の処理方法を相談されて、燻製卵を提案したら即刻に燻製屋の仲間入りをする事にもなった。この時は段ボールやドラム缶で燻製器を作って試作してみた。

前回のツリーハウスの顛末記を呼んだ人は感じたかもしれないが、俺は工夫する事自体が好きなのだ。

それにしても弱弱しい苗の上を重い金属のチェーンを引きずって歩く、とは物凄い逆転の発想ではないか。

俺の家の田んぼは一反五畝あり、その内の25mプール分位が耕さない不耕起の田んぼだ。
畑はともかく、田んぼの不耕起はまだ一般的ではなく、お袋も含めて周りの人は懐疑的なのだが、是非に挑戦してみたいのだ。
一般的に自然農法と呼ばれている農法だが、自然農法には有機農法も含めて様々な解釈があるので、ここでは不耕起農法と言っておく。
原則は奈良の川口由一さんが提唱する「草や虫を敵としない自然の理にのった農法」である。
これに成功すれば、田越しと代かきといった田植え前の大仕事が無くなり、したがって耕運機が必要無くなるのである。
耕運機が必要無いとうい事は、設備投資しなくても農業が可能という事で、ガソリンなどの資源も消費せず、金もかからないから兼業農家にうってつけな農法に違いないのだ。
金もかからず環境にも優しく、体力が付いて工夫の為所が満載なので、これは楽しくないわけが無い。しかも無農薬の米や野菜が食べられるのだ。つまりこれはレジャーだ。
不耕起農法は、兼業農家だけでなくとも、都会の趣味でやっている家庭菜園のレベルにも最適で、農業を仕事でなくレジャーとして付き合える人々がもっと増えたら、日本も随分と変わる、と思う。
そうなったら森林や海浜を開拓してゴルフ場やテーマパークを開発しても儲からなくなり、したがって環境破壊が無くなる。
5月連休の渋滞も無くなるぞ。

この農法は、田んぼは金がかかるし(肥料代、ガソリン代、耕運機や田植え機、稲刈り機などの設備投資など)体力も時間も無いからもう止めて、スーパーで安い米を買えばいいだろうと離農する農家が激増している、日本の農業が抱える問題解決の糸口になるかもしれない。
その問題の解決無くして食料自給率の底上げは不可能だと思う。
しかもこの農法は,、農薬はおろか基本的に肥料も撒いたりしない循環型の農法なので、21世紀の縄文人に相応しい農法と言えるだろう。

ここで紹介したチェーンを引きずるのは、従来の農法である耕した田んぼ(不耕起などの一般的では無い農法に対して一般的な農法は慣行農法という)の事例である。
果たして俺の様な不耕起の田んぼで通用するかどうかはやってみなければ分からない。
工夫に工夫を重ねる事になるかも知れない。
ワクワクしますなあ、まったく。
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Commented by m(="=)mにゃお at 2010-05-06 22:04 x
11時までってどれだけクンタンあるんですか? 私も稲刈りの時期になるとよくやらされます。 熱いし、水かけすぎてもいけないし、顔も服も真っ黒けで大変ですが風向きみながら全体が満遍なく黒くなるように混ぜる作業はついはまってしまいます。 でも、三日も続くと嫌になってしまう私はまだまだ修行が足りんようです。 親父とお袋はえらいな~!!
Commented by しお at 2010-05-06 22:48 x
ぎゃ~~~楽しそうっ!そのうち遊びに行かせてくださいよー!!
って、お久しぶりです(^^;)
Commented by jhomonjin at 2010-05-07 21:53
にゃおさん、シティーボーイだとばかり思ってましたけど、色んな経験してんだねえ!
燻炭の量は重量で二表(120キロ)も無いね。
朝5時半から始めた「現代農業」に出ていた燻炭の簡単製作法に訳あって失敗して、夕方6時過ぎから普通の遣り方をやったんですわ。
田植え騒動が全部終わったら再挑戦するかんね。

しお殿、子供はその後息災に育っておりますかな?
Commented by どらえもん at 2010-05-12 15:14 x
こんにちわ!やっと田植えも終わり一安心 だがこれから除草剤ふり 昨年は失敗してしまい田の草がすごく とりきれませんでした チェエンは前から知ってましたが 労力が必要ですね 私は楽しく農業ができません うらやましいかぎりです
Commented by jhomonjin at 2010-05-15 20:04
どらえもんさん、どちらで田んぼやってんの?
情報交換しようよ。
秋になったら我が家の湿田に籾殻を入れて土壌改良しようと思ってます。
反当たりに二町分くらいの籾殻を3年間入れ続けて、田植え機が埋ってしまう深田をフカフカの田んぼに改良した事例が2年位前の現代農業に出てました。
by jhomonjin | 2010-05-04 21:56 | 田舎暮らし | Comments(5)