21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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後ろ向きに田植えするぞう!・・・メデタイと断言するノダ。

明日、土曜日に不耕起の田んぼの田植えを決行する。コーフンしとります。
田植えに当たって用意した秘密兵器が二つある。
作付け縄とバカ棒である。いずれも廃材利用だ。
作付け縄とは、田んぼの端から端へと目盛りを打った縄を張って、一定間隔に苗を植える縄の事だ。買えば6,000円くらいする。
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自作の作付け縄
縄だけ買った。目盛りはこれから付ける。
縄を巻いてある方がクルクル周るのは普通だけど、L字形の側も塩ビパイプの所でクルクル周り、どちら側からでも縄を巻き取れる工夫がしてある。

バカ棒は建築用語だが、正式には定尺とって、やはり目盛りを打った棒で一定間隔に苗を植える目安にする。

作付け縄を長手の縦ラインの目安にして、バカ棒を横手ラインの目安にすれば、きちんとした升目に苗を植えていける理屈だ。
今年は升目を一尺五寸(455mm)×一尺(303mm)にする予定なので、通常の300mm×200mm前後の升目よりはかなり大きな升目となる。
つまり同じ面積の場合は株数は少なくなるが、苗は広々とした空間に育つ事になるので、太くて丈夫な稲に育ち、一株の稲の粒数も多くなり、結果として収量は変わらなかったりする。
それに不耕起の田んぼは除草する為の空間がそれくらいは必要なのだ。

民俗学者の宮本常一によれば、江戸時代の中期後半までは田植えは「乱れ植え」・・・学者によっては乱雑植えと表記している・・・といって、各人の手の届く範囲で適当に植えていたらしい。
そして苗を植えるのは後退しながらであったという。

特に中国・九州地方では大田植えといって、田植えになると近郊近在から大勢の人が集まり、太夫役の男達が笛太鼓で囃して田植え唄を唄ったものであったという。
若い未婚の娘は赤い襷、主婦は白い襷をかけて未婚か既婚を人目で見分けられる様にして、嫁探しや見合いの場でもあり、祝祭色が濃厚のハレの労働儀礼であったようだ。
普段は家族単位の農作業もこの日と同じく人手がいる秋の稲刈りばかりは、同世代の男女も集まるので、お喋りしながら、愚痴を言い合ったり、スケベな話などに花を咲かせての楽しい労働だ。
スケベな話は田の神が喜び、豊作となるのだと歓迎されていたようだ
田植え唄も然りで、新婚さんや未婚の若い男女をターゲットにして、即興を交えてスケベな唄が唄われたらしい。
田植え唄に限らず、日本の労働歌には暗喩も含めてスケベな歌詞が多いようだ。
興味ある人は「越後杜氏」「日本のワークソング」といったCDがあるので聴いてみたらいい。
因みに黒沢明の七人の侍の最後の方に、大田植えの場面が出てくる。

その乱れ植えが現在の様な条植え(きちんと一定間隔にして植える方法)になるのが幕末くらいから。
何故なら乱れ植えだと苗の間隔に過密な所と疎らな所が混在して、稲の育ちにバラつきが出てしまう事と、田の除草がやりにくい為である。
その時を境にして、田植えは後退ではなく前進していく方式に切り替わったのだという。
現在でも条植えでも後退していく地方はあるが、一般的には線を見ながら真っ直ぐに植える為に前進していく方式が多いようだ。
宮本は、乱れ植え時代の田植えは遊びの要素が強く、条植えの田植えになると労働色が強くなった、としている。

どうせ自分の田んぼをやるなら、俺も面白い方がいいに決まっている。
昔風の後退式で田植えをやる!
整体の師匠も、日本人は前進ではなく後退する身体感覚の民族だ、といっていたしな。
ただ、乱れ植えだけは来年以降に試す予定だ。
今年は基本に忠実に、ある程度の収量を確実にあげたいからだ。
ただでさえ不耕起の田んぼに初挑戦の男が、これまで慣行農法の田んぼだった場所で周囲の反対を押し切って始めるのだ。
初年度は不耕起の田んぼとしての場が出来ていないというリスクは承知の上だ。
これで米がとれなかったら、ほらみたことか!と関係各方面からバカにされるに決まっている。

とにかく今の内からメデタイ!と断言する。
予祝といって、先に結果を「良かった!」と断言する呪術だ。
正月が「明けましておめどとう」というのは、ここに由来する。・・・と思うぞ・・・
年が明けただけで何がオメデタイのか誰も知らないし、何も考えずに言っている事だ。
今年は良い年でありますように、では本当ではなくて、今年は良い年だった!と断言して、その言葉を成就させようという無意識があるのではないか?と俺は思う。
とにかくメデタイ!
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by jhomonjin | 2010-05-07 23:51 | 田舎暮らし | Comments(0)