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21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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飢餓と飽食・・・合言葉はメシは残すな!(その1)

俺の座右の銘は「メシは残すな!」である。
このフレーズは高校生の時から使っているが、俺は食べ物を残したり粗末にする事に非常に抵抗感があるのだ。
まだ憤りが治まらないので、前回のモチ大量廃棄処分の続きだ。

ドリフのギャグも、食べ物を投げたりするシーンだけは頂けなかったし、今でもタレントが大食いするだけのテレビ番組なぞ見ると、すぐにチャンネルを変えてしまう。
大食いして見せるだけで何で番組が成立するのか不思議だ。
少しだけ食って、たくさん動ける身体が良い身体だと思うのだが、タレントが大食いして見せたところで何が面白いのか俺には解らない。
燃費の悪い身体は自慢出来んだろう、そりゃ、とテレビに向かって罵るのだ。

10数年前のある日、知人のチベット仏教僧から電話があった。
チベット仏教僧といっても日本人で、新潟県津川市の山奥に庵を結ぶ野口法蔵という坊さんだ。
法蔵さんは断食の世界的権威として現在は有名になっているらしいが、当時はそれほど有名でもなかった。
「山田さん、中国に行った事ありますか?無ければ旅費、滞在費全部ただで行く話しがあるけど、行く?」
「行きます!行きます!何時ですか?すぐ行きますよ!絶対に行きますよ!!」と俺は息せき切って理由も聞かずに快諾した。

話しはこうだ。
北朝鮮が慢性的な飢餓状態なのは周知の事実だが、その難民が中国国境を越えて中国国内に大量に不法滞在している。
中国当局は難民を捕まえ次第に北朝鮮に強制送還しているが、その先の事は生きて強制収容所から出てきた人はいないので不明だ。
問題は中国国内での難民の置かれた状況自体がまったく不明であって、このことに人道的立場から調査団を派遣すべきだが中国政府はそれを許さない。
したがって中国国内に旅行者として入国して、目立たないように北朝鮮国境近辺に行き、独自に難民の調査をしたいと考えている長野県に住む色平哲朗という内科医がいる。
調査自体が中国国内では違法だし、北朝鮮の秘密警察の目も光っている。
危険な状況も予測されるので、色平医師がポケットマネーで旅費その他を負担するが、現地で調査をする人選を頼まれたので俺を紹介したい、という事だった。

危険な任務だ。
そこでバックパッカーとして経験豊富で、巧みに中国人に紛れ込み、危機においては機知に富み、勇猛勇敢にして優秀な知性と強靭な体力を持つ稀有な人材という条件にぴったりだったのが俺だったわけだ・・・本当は暇な人という条件だったようだ・・・。

そういう事なら持ち前の義侠心がムラムラと湧き上がり「俺に任せろっ!」と是非も無いのだが、現地に行っても中国語もハングル語も話せない俺に何が出来るのか?
そんな質問をすると、言葉は分からなくてもとにかく現地に行って現状をレポートしてくれば大丈夫、という。
その後、色平医師に会って打合せしたが、現地に何のツテもコネも無いが、行けばなんとかなるよ、と、言われるままに現地入りした。
スポンサーがなんとかなるから大丈夫というのだから仕方ない。
難民の事なんか何にも分からずレポートを書けなくてもワシ知らんケンネ!と覚悟を決めたのだ。
中国に旅立つ前は、友人達から北朝鮮秘密警察に捕まって拉致、拷問、強制収容所送りなど散々脅されたが、やる時ゃやるのだ俺は。

そしたら本当になんとかなったのだ。
現地での詳細は、大っぴらに出来ない話しばかりなので省略する。
ちょとした冒険談もあったが結果オーライで難民に何人も合って、彼らの置かれた状況をつぶさにレポートが出来たのだ。(続き)
by jhomonjin | 2010-11-14 12:00 | 何やってんだっ!