21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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建物って偉い!・・・作業小屋に引っ越した

俺がカヌー作りで作業にしている場所は、標高70m程の小滝という山奥の集落だ。
糸魚川の海岸地帯にある俺の実家から車で三十分かけて小滝に行くと、朝と夕方には空気がキンと冷えて底冷えがするくらいの山里だ。
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作業小屋
大工棟梁の好意で、直射日光も雨風も影響しない天国のような場所に移動できた記念に石斧とツーショット。時間がかかり過ぎるので、実際の作業には石器は使っていない。


カヌーは森林組合の横の坂になった空地で作らせて貰っているが、すぐ裏が岩山で周囲の残雪から雪解け水がジャカジャカ流れてくる環境だ。
小鳥の囀りや清流のせせらぎが聞こえて牧歌的だけど、昼間は直射日光がきつい。
丸太にとって直射日光、昼夜の極端な温度変化、雨風に曝される事は、ひび割れの原因となって丸木舟作りにとって良い環境とはいえない。

それに坂での作業は困難が多いし、坂に居続けて作業するのは結構疲れる。
屋根の上で作業しているようなもんだ。
作業開始二週間目にして、かなり疲れが出てきた。
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斧各種
左の鉞は杉のような簡単に割れる樹種なら使い勝手が良いのだろうけど、木理が捻れた節だらけのトウヒではあまり使えないようだ。主に他の三種類の斧を使い分けて作っている。

ところが作業開始から二週間が経って、見学に来た地元大工の棟梁があまりの環境の劣悪さに気の毒がって、自分の作業小屋を使わせてくれる事になった。
ユニック車での移動も請け負ってくれた。
悩みの種だった、凸凹だらけの丸太に正確に墨打ちする技術も教わる事が出来たので、まさに救いの神だ。
作業小屋は市街地と小滝の中間にあるので、通勤時間も半分に短縮された。
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側面はつり
墨出ししたらチェーンソウで横に切れ目を入れてから斧ではつる。墨出しで全て決まるので慎重に何度もチェックするが、最後は覚悟を決めて刃物を入れる。失敗したら取り返しがつかない世界だ。

小屋に移って、屋根の下にいることの恩恵に改めて驚く。
疲れ方が全然違うのだ。
直射日光に曝されない事。雨でもカッパを着なくていい事。
地面が平な事。地面が濡れていない事。
普段は当り前に感じているけど、建物って偉い!と思った。
作業効率だって断然に良い。
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斧使い
大斧でガツンとブロック状にはつり、中型斧で取りきれなかったブロックを剥がし、手斧で平らにしていく。斧使いは豪快な仕事だ。慎重さと大胆さ、正確さと勢いといった相反する事を両立させる仕事だ。


小屋は広大にして生理整頓が行き届いている。棟梁がどんな仕事をするのかがよく分かる。
電源があるから丸ノコや電動カンナだって使えるし、ホイスト(天井に付けられたUFOキャッチャーみたいなクレーン)だって付いているから一人で苦労していたカヌーの移動だって、簡単に出来るようになった。

何より棟梁がたまに寄るので、色々な技術的相談に乗って貰えるので心強いのだ。
こうやって自分の生甲斐を追及していくうちに、色んな人が関わっていく過程が面白い。
黒沢明の映画『七人の侍』みたいだ。
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Commented by tubaki_hana at 2011-04-23 06:20
はじめまして。
オランダから拝見しています。

とても素敵なブログですね!
かなり感動してしまいました。

これから、過去記事読ませていただきます。

リンクさせて頂きました。不都合があれば、どうぞ、おっしゃってください。

Commented at 2011-04-23 16:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jhomonjin at 2011-04-23 20:00
凄ぇ、オランダからですって!
国際的になったもんですねぇ。
リンク歓迎ですし、こちらも喜んでリンクさせて頂きます。
Commented by tubaki_hana at 2011-04-24 05:26
縄文さん
リンクありがとうございました。
それにしても、このカヌー楽しみですね☆
私自身、ボートやっている(やっていた?)ので、お話、わくわくしてます。
Commented by jhomonjin at 2011-04-24 20:14
縄文時代の丸木舟に乗る機会なんてないから、完成したら、是非とも乗りに来てくださいな。
海から丸木舟に乗って観るナショナルジオパークをご案内しますよ。
五千年前の縄文人が観た風景を、同じ方法で追体験できるんですよ!
Commented at 2011-04-25 07:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tubaki at 2011-04-25 19:12 x
オオオ、そりゃすごい!丸太舟にのるだなんて。こりゃー、とりあえず、ボートの練習いって、水の上で想像します。昨年、さぼって一度しかいってない幽霊部員。
わたしは九州なので、こうやってちがう地方のお話伺うと、興奮しますね。人生みじかい、いったい、何県、自分自身で足を踏み入れるのかな、と思うと、なんか焦ります(苦笑)
Commented by jhomonjin at 2011-04-25 20:48
ボートといっても足で漕ぐスワン号、海水浴場の貸しボート、体育会系の競技ボートと色々ありますが・・・。
もし体育会系競技ボートなら、貴女は仮面ライダーみたいに腹筋が三段に分かれた逆三角形体系ですかのぅ?
聞いた話だけど、競輪選手とボート選手の尻って、タコが出来て凄いらしいですなぁ。
いやぁ、想像が膨らみますなぁ。
関係無いけど、九州って暖かそうでいいですなぁ。
Commented by tubaki at 2011-04-26 06:13 x
ウ、、はい、体育会系の競技用ボートですけんど
ここは、競技したい人は真剣にやって、
競技したくない人は、同じボートでも、その上で酒飲んでる
時にピクニック用のサンドイッチのせて出ていく人もいるくらい
ゆるゆるなんですよ、
よって、私も、だら~っとやってます。
老人レベルなので、腹筋が三段に割れることもないですが、更衣室入ると、サイのような方もおられて、あの体型で普通に漕いでいることも思うと、逆三角体系は、ほんと真剣競技やっている人だけですねー。あとは、最後のビールとかお茶のみにきているひとばかりです。

たしかに、お尻の皮はむけますね。なんでこの歳になってまで、
こんなことやってるんだと、最初の年は、お風呂はいると、いた!!!、手も豆だらけで、ぎょぎょ、って感じでした。

まー、わたしのような、一般ぺーぺー勤め人が、やるスポーツではないんですがね、ずうずうしく入会しちゃったわけです。
Commented by 通りすがり at 2011-06-25 22:14 x
初めまして。偶然通りがかったものですが、すばらしいブログですね。大木を切り出しいくつもの斧やチョウナを使い分け船を掘り込んでいく有様を描写するのは、無駄なく力強い文体。両者が相乗効果を生み出しております。

ところで、作業には和式の斧を使用されているようですが、その中で唯一の西洋式斧はグレンスフォシュ社の「スモールフォレスト」ですか?あのメーカーの斧は曲線柄の握り具合が最高ですね。
Commented by jhomonjin at 2011-06-25 23:07
ご明察の通りです。
いままで全鋼製の刃物は研ぎ難いというマイナスイメージがあったのですが、スモールフォレストは砥石当りも良いし、脅威の長切れ、抜群の切れ味、絶妙のバランス、コストパフォーマンスと全てにおいて優れていますね。
もしサバイバルに選ぶならフォレスト!と決めている究極の一本です。
私は和式刃物が好きですが、外れが無く、性能に比較すると安価いという点で初心者、ベテランを問わずに新品の斧を買うならこのメーカーを薦めています。
ただ全体的に刃先が薄いから、乾燥しすぎて堅くなった節だらけの広葉樹を割る、という局面では問題ありますがね。
古武術研究家の甲野先生にも薦めて、一番大きなハンマーを買って頂きましたが、切れ味とバランスの良さに驚いてましたよ。
Commented by 通りすがり at 2011-06-27 12:15 x
早速のコメント、ありがとうございます。
グレンスの斧は多少高価ながら、握った際の掌への馴染みが非常にいい。これだけでも選ぶ価値があります。
私はグレンスの両刃式伐採斧でナナカマドの木を切り倒したことがありますが、切れ味や握り具合はもとより、刃の形のバランスが良いため全く疲れを感じなかったことを記憶しております。
もし丸木舟の伐採から手作業で行うのでしたらお勧めの逸品です。
一方、和式の伐採斧は刃が細長いので、伐採のため何度も横に振り続ければそれだけで疲れてしまいますね。この面でも、斧は洋式が優秀です。
Commented by jhomonjin at 2011-06-27 21:32
お主、出来るな!
何奴?
あの斧は確かに高価ではあるけども、同じ用途で同等品質を和式の斧に求めると、もっと高価になるのではないでしょうかね。
でも本当に仰る通り、値ごろ感は充分ですね。
ただ、和式の斧もそれなりの動法(私の学ぶ整体でいう身体使いの方法)を行なうと充分になるのではないか?と考えております。
だから古の日本人の身体感覚を研究して、もっと和式斧を使いこなしていきたいですな。
因みに小生、整体の他に古武術も学んでおりまして、薪割りは古流剣術の回剣を応用したものです。
機会があったら、斧談義や薪割りを一緒にやりたいですな。
by jhomonjin | 2011-04-20 20:33 | 日本海縄文カヌープロジェクト | Comments(13)