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21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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ナミダのかたち・・・糸魚川のヒスイ

この写真の透き通った緑色の二つの石は、友人のMさんが自分で拾ってきたヒスイを自分で磨き上げたものだ。
拾ってきた、といっても勿論、道端ではなくて糸魚川の海岸からである。
Mさんの本職は配管屋だが、趣味で海や川からヒスイを拾って来て加工もしている。
糸魚川にはヒスイ拾いや加工を趣味にしている人は多い。
f0225473_2019862.jpg

写真では判別しにくいだろうが、透明度がかなりあるので、鉱物に詳しく無い人ならアクアマリンだと思うかも知れない。
ご覧のように、このヒスイにはひびが入っているし、形も勾玉などのようなもっともらしくて分かり易いデザインではない。
一般的には、ひびが入ったヒスイは宝石としての価値が無いから、屑として廃棄されるのが普通だ。
しかし例え宝石として価値が無いとされる屑ヒスイでも、色が綺麗だからと最後まで磨き上げて完成させるのがMさん流だ。

形だって、専門家が作ったヒスイのようにシンメトリックではない。
Mさん式のヒスイ加工は、予め決めておいたデザイン通りにヒスイを研磨していくのではなく、綺麗な色が出る事を優先させてヒスイを研磨していくので、最終的な形はヒスイ次第となる。
だから時にはひびが入っていたり、非対称だったりの「商品的には価値が無いヒスイ」となったりする事になる。

でも俺にはそこが佳いなぁ、と感じる。
観ていると何だか儚くて、切ない感じが伝わってくる。
ナミダのかたち・・・と柄にも無い言葉が浮かんだ。

こんなヒスイがMさんの家には沢山転がっている。
佳いなぁ~、凄いなぁ~と言い続けていたら、「欲しかったらあげるよ。」と簡単に言われたが、畏れ多い事だ。
一体、これだけのヒスイをどれだけ探し続けたら拾えるのか?研磨に何時間かかったのか?

以前にインターネットで検索したら、神秘的な宣伝文句が並べられて糸魚川産ヒスイで作ったという石笛がとんでもない高額で売られていた。
石笛とは、石に孔が開いただけの縄文時代の出土品である。
孔に息を吹き込めば音がするが、笛として使われていたという証拠は無い。
ただ現在でも一部の古神道系の神社などで神事に使われる祭器ではある。

ビール瓶に息を吹き込んでボーと鳴らす要領で吹くと、ピイッ~という鋭くて甲高い音がする。
石笛が吹けるようになるまで半年もかかった、なんて話も聞いたことがあるが、子供の頃にビール瓶を吹いて遊んでいた人ならその場で簡単に音は鳴る。
「古代から相伝の神宝」と公表していた某有名神社の石笛が、実は最近になって三浦半島の業者から買っていた、なんて裏話も俺は知っている。
縄文と古神道を結びつけて語る世界には、随分と胡散臭い話しも多いので注意が必要だ。
神秘的な付加価値を付けて商品価値を高めようとする意図が見え見えなことが多い。

東京の縄文ファンから、ネットで七万円で買ったのだと自慢げに糸魚川産ヒスイの石笛を見せられた事があるが、本物の糸魚川産ヒスイなのかどうかは別にして、糸魚川で原石を買ったにしても千円位で買えそうなヒスイ?(石笛を入れてあった布袋の染料が石に染み込んで色が分からなかった)に見えた。
透明感も無い、ヒスイかどうかも分からない石に孔開けしただけのものが七万もするなんて!と正直びっくりした。
どう見ても製作時間は30分~1時間程度だろう。
言っておくが、硬度6のヒスイに直径1cm前後、深さ2~5cmもの真円の孔が開けられるようになったのは工業用ダイヤモンドの先端ビットが普及した近年になってからであって、縄文時代にはヒスイはおろか、人工的に孔の開けられた石笛は無かったのだ。
ほとんどはヤドカリが巣にする為に泥岩や砂岩に孔をあけた自然石である。

それから見るとMさんは趣味だけに商売っ気が無い。
少しは売る気持ちもあるようだが販路が無いし、自宅に来た人しか観る機会が無いのだ。
糸魚川には趣味でヒスイ製品を作っも、買ってくれる人がいないから溜まる一方の人は多い。
正真正銘の糸魚川産ヒスイの石笛が欲しい人、このブログに非公開コメント下さいな。
情報ありますよう。

追記 2013年7月24日
ぬなかわヒスイ工房として独立しました。
石笛・勾玉・ヒスイのお問合せは下記まで!
 ぬなかわヒスイ工房 http://nunakawa.ocnk.net/

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Commented by まっちゃん at 2011-09-25 23:28 x
左の翡翠、なんかトロ~ンとして美味しそうですな。
そういえば去年のけんか祭り見物の帰りに買った翡翠も美味しそうな色合いでした。
糸魚川の翡翠はミャンマーや中国の翡翠と別物な気がするんですが。
どうなんでしょ??
Commented by jhomonjin at 2011-09-27 22:40
確かに飴玉に似ているんだよ。
それにしても食いしん坊ですな。
翡翠の違いについては次回で紹介するケン。
期待しとってつかあさい。
Commented at 2012-07-17 18:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jhomonjin at 2012-07-17 22:02
非公開コメントにお答えします。
ご連絡ありがとう。
実を申しますと私は、「糸魚川ひすいの店」という店のお抱え職人です。
教えていただいたHP見たけど、随分と高いですね。
糸魚川産かどうかは、原石を見なければ解りませんが石の質から見た値段は・・・うなっちゃいました。。
水野さんは趣味なので、石笛に孔を開ける器具を持っていないそうです。
私のお店に関しては100%糸魚川産と断言できますが、ミャンマー産を糸魚川産としている店が結構多いらしいですね。
縄文時代の石笛は、ヤドカリが孔を開けた泥岩がほとんどでして、一部の神道儀礼に石笛が使われていた事実はあってもヒスイの石笛ではありません。
夢を壊すようで申し訳ないようですが、近年になって流行った一種のコマーシャリズムが生んだ産物なのです。
参考になれば幸いですが、「糸魚川ひすいの店」で検索してみてください。ここは正真正銘の糸魚川ヒスイだけですよ!
ついでに告白しちゃいますが、私の実家は古墳時代の勾玉職人の工房跡に建っているのですよ。
私の誕生日のちょうど1年前に、母が敷地内で勾玉を拾ったのです。
私の職業も何かの因縁ですね。
Commented at 2012-07-18 02:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jhomonjin at 2012-07-18 20:45
非公開コメントの方に
何時かきっと貴女のためのヒスイ石笛と出逢うことでしょう。ゆっくり時期を待っていてください。
メアド教えて頂ければ、詳細情報も送りますが、8月後半に「縄文の学校」というイベントを企画しています。
天下の嶮として有名な親不知海岸で、縄文人が利用していたヒスイ、石斧用の蛇紋岩、岩絵具の材料を拾って、五千年前の長者ケ原遺跡の竪穴住居でキャンプするのです。
特別講師として、原始技術研究家・民族楽器研究家として著明で私の師匠である関根秀樹先生を招きます。
関根先生は日本で一番、石笛に詳しいのですよ。
夜は参加者全員で、民族楽器の即興アンサンブルで遊びます。もちろん焚火を囲んで。
近いうちにブログにアップしますね。 
Commented at 2012-07-18 23:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2012-08-28 10:20 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2012-08-28 11:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jhomonjin at 2012-08-28 21:30
非公開コメントにお答えします。
気にしませんよう~!
ぜひいらっしゃいませ。
現在、ヒスイ製の石器も商品化を構想中です。
by jhomonjin | 2011-09-19 21:52 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(10)