21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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『じょうば』とは糸魚川の獅子のことです。

けんか祭りの余韻はまだ続く。
翌日11日は直会(なおらい)で昼間っから夜まで9時間以上も飲み続けた。
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直会は小雨の寒い夜だったが、連続9時間飲み続けた寺町男児は半袖、裸足で求められればセクシーポーズだってやぶさかではない。天真爛漫な男達。女もカラオケもも無しで子供に戻って飲み騒ぐ。

14日には寺町区の祝勝会。
21日には役の中で最も重要な「鳥爺(とりじ)」を祝う会。
最後は29日の俺の生まれ育った新町の慰労会。
例によって一升ごと熱燗された日本酒とタバコの煙で充満した「男の飲み会」である。
本当に我が故郷は人間離れした酒豪ぞろい。
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じょうばは一人で被る。齧る対象を発見すると走って行ってガジガジを頭を齧る。逃げたら追いかけて来るから、子供の頃は本当に怖かった。





さて、今年の俺は『じょうば』の役が付いた。
じょうばとは、獅子のことだけど、獅子舞いなどはしない。
見物人の頭を齧って徘徊するのだ。
頭を噛まれると頭が良くなると言われており、俺だって子供の頃から何度も噛まれているが、ちっとも「効いて」るという実感は無い。
けんか祭りは文字通りけんかをする荒っぽい祭りだが、数ある役目の中でじょうばだけは見物人と唯一の接点があり、祭りの進行にも関わる一種の狂言回し的存在で、子供にイチバン人気がある。
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じょうばが子供を泣かせてしまっても、「ええ子になれ」と周囲は暖かい眼差しで見守る。誰もが自分の子供の頃を思い出して優しい気持ちになるのだ。母親も心なしか引き攣っているのが愉快。

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泣き叫ぶ子供をうまくなだめるのが親の役目。「怖くないよ。じょうばさんにぱっくんして貰おうね」と自分が子供の頃に母親から言われたセリフを繰り返して口にするのが、糸魚川の女の歴史というもんである。

女ならケツを噛まれると安産するとも言われているが、これはどうも噛むほうが面白がってでっち上げたように思う。
基本的に縁起物だとされていて、無病息災・家内安全・商売繁盛のご利益があるとされているから、老舗ではじょうばに祝儀も出す。
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近所の保育園にも出張した。年少組さんは固まっていた。泣き喚く子もいたので、じょうばの口を開けてカメラを出して撮影したら受けた。悪ノリして口から手を出して握手して回った。きちんと正座しているのが偉い。

通常はじょうばが噛む対象は子供と若い女なので、祭りの間は逃げ惑う女子供を面白がって追い掛け回す。テーマソングに『森の熊さん』の歌を口ずさむ。
でも俺は神社に向う沿道を見物する老若男女の全てを噛む対象にした。
見物人にも祭り気分を味わって欲しいからだ。
お年寄りだと「じょうばに齧られるなんて七十年振りだわ!」なんて合掌までして感謝される。
そんなことしてたら、介護施設の職員さんから施設まで来て下さいと頼まれた。
痴呆や車椅子の老人達を片っ端から齧ってやった。
惚け防止になるよ、なんて言わない。
縁起モンだよ、オメデトウ!息災でおってくんないや、と言って齧って回った。
祭りっちゃ本当ね「ええもんだ」。
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Commented by まっちゃん at 2012-04-15 22:01 x
ウチの地元のお祭りで、交通規制の関係でトラックに神輿を積まなければならない区間を強行突破したことがありました。
警察の制止を振り切って差し揉みしながら突進してくる神輿をみた車椅子の爺さんが思わず立ち上がって歓声をあげたり、涙ながして拝む婆さんがいたり・・・。
祭りはいいもんだねえ。
Commented by jhomonjin at 2012-04-15 22:54
いい話だなぁ。
祭りって治外法権内だね。
国家権力より祭りバカの原始力が、車椅子の爺さんのチカラになったのは間違いないよ。
by jhomonjin | 2012-04-15 21:35 | 祭り | Comments(2)