21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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カテゴリ:糸魚川ヒスイ・石( 9 )

このブログを見ている西日本在住のある人から、4月にヒスイ製品の注文がありました。
ぬなかわヒスイ工房の完成を待つから、急がないので作ってくださいとのこと。
有難いことです。
以前に抽象的なデザインの犬のヒスイ製品を作ったことがあって、そのネット画像を見ての注文です。
注文主のご要望は、犬好きの息子さんのための「早太郎」って名前の民話にでてくる犬のヒスイ製品とのこと。
完成の報告を教えて頂いた携帯メアドにしてもエラーが出て連絡がつきません。

この場をお借りして完成の報告をさせて頂きますので、お気に召しましたらご連絡をお待ちしております。
以下は「早太郎」の写真です。

f0225473_611613.jpg早太郎の正面。口の悪いヒスイ仲間からイノシシか?なんて言われてしまいましたが、信州の民話だそうですので、顔の大きい「甲斐犬」が野山を走っている姿をイメージしました。原石は小滝産ヒスイです。

f0225473_6124069.jpg光りを透過させるとこんな感じ。
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by jhomonjin | 2013-06-18 06:14 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(3)
四月から着工したヒスイ工房がついに完成。
Uターン帰郷時に大量に持ち帰った遊び道具や工具類を収納するための納屋と冬でも外作業できるテラスも完成した。

f0225473_21554292.jpg俺の実家の地下には、古墳時代前期の「奴奈川族のヒスイ工房跡」が眠っているから、千七百年の時を経て勾玉作りの工房が復活したことになる。工房の名前は、ご先祖に因んで「ぬなかわヒスイ工房」と命名。

f0225473_21563344.jpg作業机横には、キャスター付のおもてなしテーブルワゴン。ちゃんと引出式になっていて、緑茶やコーヒー、ハーブティーが揃っている。千客万来を期待。






ちょっと前には「縄文時間」というホームページの原稿も完成して、後はホームページ作りに協力してくれている友人のアップ待ち状態。
ここしばらくは、縄文カヌーの上越航海実験やその他モロモロが全部重なってしまって、平均睡眠時間五時間前後という日々が続いたが、これで一段落。
奇しくもお袋が自宅敷地から勾玉を拾ってから五十年目の節目。
何かに導かれている感じがする。

f0225473_2159317.jpg工房内部左側。銀色のパイプは集塵機のダクト。知人から只で貰った送風機に百均商品で工夫して自作。本物の集塵機は高価だが、かかった資材費は千円くらい。

f0225473_2216128.jpg自慢は藤沢市の古道具屋の蝉丸さんから独立祝いにもらった古民家の窓。もとは引違い式の窓を外倒し式に作り変えた。今はもう入手できない磨りガラスと雪の結晶模様の型ガラスがレトロでいい感じ。

f0225473_22195574.jpg工房にいると落ち着く。お気に入りのNHKのラジオ番組「すっぴん」を聴きながら、コーヒー豆を挽いてパーコレーターで淹れたコーヒーで寛ぐ。これが噂の移動式おもてなしワゴン。




つい最近までは、何をするのも複数の仕事を同時進行させるような慌ただしい日々だったので、ゆったりコーヒー飲んでボーとするというのも久し振り。
誰にも文句を言われない、好きな時に好きなことをできる場を手に入れたのだ。
俺も一国一城の主って訳だ。

f0225473_22224260.jpg夕方には海に行ってSUP(スタンドアップ・パドル・ボード)の稽古の日々。毎日海に行っていると顔見知りが多くなって、地元の人や、市の内外のヒスイハンターさん達とヒスイや縄文談義に華が咲く。


これぞ縄文時間。
この至福が何時まで続くのか・・・。
先のことは考えずに、しばらくは』縄文時間を愉しむとする。
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by jhomonjin | 2013-06-13 07:13 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(7)
俺が生まれるちょうど一年前の同じ日、お袋は自宅敷地内でヒスイの勾玉を拾った。
五十年前の四月のことだ。
お袋は俺とその勾玉を作った古代人に何かの縁を感じたのだそう。
勾玉と、それを作ったと思われる砥石が揃って出土している例は全国的にも稀だと思う。
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この写真が出土した勾玉セットの実物。
大きな石の上に載っているのは俺が作ったレプリカで、大きな石は勾玉の背中の丸みを削ったらしい砂岩製の「筋砥石」だ。
下あるのが出土勾玉の実物で、その下になっている棒状の石が勾玉のお腹の抉れ部分を削ったらしき「棒砥石」だ。
筋砥石も棒砥石も、出土した勾玉のカーブにピッタリと合致する。
なんだか勾玉が、筋砥石に噛り付いているようで可愛らしい。
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右側の緑の玉は、お袋が拾った古墳時代のガラス製ビーズ。
普通の人なら子供のおもちゃと思って拾わないだろうけど、お袋は考古学好きだから大事に仕舞っておいた。

俺の小学三年の時に歴史好きのお袋の願いが叶って本格的な発掘調査が行われ、敷地地下には千七百年前の古墳時代前期のヒスイ工房跡が埋蔵されていることがわかった。
有名な考古学者達に混じって、俺も発掘のお手伝いをした記憶がある。
子供の頃、縄文期の石器や、奈良時代の初の国産鋳造貨幣である「開元通宝」も拾ったことがある。
正式には笛吹田遺跡として報告されている。

そして現在の俺の仕事が勾玉職人。
やっぱり縁があったのだ。
この4月に「ぬなかわヒスイ工房」として独立した。
「ぬなかわ」、とは縄文系の弥生から古墳時代にかけて糸魚川近辺にいたヒスイや磨製石器に長けた民のことである。
文献には、奴奈川とか沼名川とか表記されている。
彼らは丸木舟に乗って、日本海を縦横に航海してヒスイを各地に運んだ海の民でもあったようだ。
俺が住んでいるのは、ぬなかわの郷の本拠地らしき所。
ご先祖が崇拝していたのが、ぬなかわ姫という女神様。
俺は、ぬなかわ姫を祀る奴奈川神社(正式にはニニギノ命を祀る天津神社と合祀された「一の宮」)の氏子で、俺にとって春の例大祭である四月十日の「けんか祭り」はかかせない年中行事だ。

今、自宅庭に工房をセルフビルドで作っている真っ最中だ。
奇しくもお袋が勾玉を拾った五十年後という巡りあわせ。
つまり千七百年の時を経て、同じ場所に勾玉工房を復活させるという個人的なプロジェクトの進行中ってわけだ。
これは俺個人を超えて、ご先祖の計らいだろう。
ホームページは友人のサカちゃんが作ってくれている。
「縄文時間」ってホームページ。
昼間は建設、夜はホームページの原稿作りでヒッチャカメッチャカの日々。

俺が建設している工房は三畳ちょっとしかないけど、ちょうど古墳時代後期の周溝墓があった場所。
古代の豪族の墓の上に工房を造っているのだ。
基礎工事で土を掘り返していたら、でっかい石が沢山出てきた。
ドングリを割る時に固定した窪み石みたいのも出てきた。
化けて出るなよう~。
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散らかっていてショーシイ(恥ずかしい)けど、建設中の工房。ちょうどこのあたりが周溝墓があるところ。どんな人が眠っているんだろう?ぬなかわ族の偉い人であることは確か。
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by jhomonjin | 2013-04-07 17:10 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(3)
27日に石川県松任市にあるNPO法人「ワンネススクール」で縄文体験会講師に招かれた。
会場は、山間地にある廃校になった幼稚園。
前夜に会場入りして、深夜までスタッフに発火法の道具作り指導。
そのままスタッフと雑魚寝。
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縄文土器、石器、発火道具に興味津々の参加者。福島からの小学生と各地からのボラティア達で賑やかな体験会だった。前夜は読み聞かせと歌の会もあって盛り沢山な内容。

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透閃石製の磨製石器、黒曜石の打製石器、竹のナイフ、ステンレスの包丁でイノシシの肉を切る。透閃石製の磨製石器が一番使い易かったのは、俺も意外だった。この後に縄文土器で猪鍋を作った。

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紐きり式発火法に挑戦する小学生。発火に成功する度に拍手が起こっていた。この子は最後まで発火できなかったが、諦めずに最後まで挑戦していたので別れ際に頭を撫でてやった。可愛くて仕方がない。

翌日の午前中に縄文サバイバルのお話と、石器を使っての縄文料理体験会。
午後は発火法体験会だが、竹が古くなっていたらしくデモストレーションで発火せずに冷や汗をかく。
3年前にテレビ局の取材で揃えた竹だったので無理はないが反省。
竹を新しく変えたら簡単に発火。
スタッフのNさんが古風な日本人って感じで、無口で朴訥とした気持ちのいい青年で関心する。
7月には1泊2日の体験会も予定されている。
午後4時に参加者とスタッフから熱烈な見送りを受けて加賀市に移動し、夜7時から加賀稽古会の講師。
今回のテーマは、意識的集注と同化感覚による集注の違い。
先月集めた江戸時代の漆什器が稽古グッズとして大活躍する。
伝統工芸、つまり文化の持つ奥行って凄い。
そのまま世話人のHさん宅に宿泊。

翌朝は京都に移動して、3日間の整体稽古会に参加。
ここまでの五日間の平均睡眠時間は5時間ほどでフニャフニャ状態。
いつもならここで帰路につくのだが、今回は和歌山市在住に移動して、石笛仙人の守山鷲声さんの自宅にお邪魔して自作の石笛を吹いて貰った。
守山さんは「石笛倶楽部」という石笛の研究サイトを開設していて知遇を得た人。
夜9時に守山さんの自宅に到着し、簡単な挨拶だけで早速石笛を見てもらう。
長い間、濃密なメールをやりとりしていたが、この日が初対面。
今回は完成したばかりの熊本県宇土市の轟貝塚から出土した六千年前の石笛のレプリカがどんな音がするのか?音域がどれ位なのか?どんな演奏ができるのかという共同研究の一環と、試作石笛へのアドバイスを貰うこと、石笛のキーの測定法の教えを乞うこと、それと石笛談義が目的。
深夜1時まで縄文や民族楽器、環境問題などの話で盛り上がる。
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自作の石笛。手前の黒い石笛が出土品のレプリカ。貫通孔と、直交する小孔が開けられていて、オカリナの様に音階を変えられる工夫がしてある。もっとも石笛上級者なら、普通の石笛でも1オクターブ前後の音階は出せる。

守山さんの本業は竹笛作家だけど、こだま(山彦)研究家としても著名だということを知った。
打製石器の収集を少年時代から趣味にしていたとのこと。
実に気が合う。
獣医の学校を出たけども、ペットの避妊手術などの獣医の仕事の現実を目の当たりにして嫌気が差して篠笛作家になったという昔話にも同感。
そのまま守山さんの自宅に泊めてもらって、翌朝は和歌山市内のスタジオに移動して本格的に石笛演奏。
最後に守山さんがヒスイの石笛、俺がヒョンの実の笛でセッションした。
ヒョンの実とは、西日本に自生しているマンサク科のイスノキに出来る虫コブで、内部を虫が食べて中空になったもの。
吹くとヒョンヒョンと音がするので、ヒョンの実と呼ばれるようになったとか。
ヒスイの硬質でビビットな音色と、ヒョンの実の柔かいくぐもった音色が離れては交差していく。
異質な音色が絡み合って作られるサウンドの心地良さ。
初めてのセッションにも関わらず、深い部分で共感できる人間関係であるためか気持ちよかった。
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和歌山駅の近くにあるスタジオ。昭和初期に建てられたビルで、今はレストラン、ギャラリー、スタジオに利用されているレトロな建物。ハンフリー・ボガードが出てきそうでこんな建物は好きだし、音響も良かった。

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三階にあるスタジオで縄文石笛を演奏する守山さん。俳優の榎本孝明に似た男前で気さくな兄貴分ができた。オオカミの咆哮のような、女がすすり泣くような、嵐の時の風のような、不思議な音色に変化していくのは、守山さんの腕だ。

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指を離して音階を変えているところ。守山さんの演奏姿は美しい。自宅で吹く時も型に入った感じで姿勢が良い。いつでも本気の人である。共同開発中のヒスイ製石笛にも色々とアドバイスして頂いた。

昼食を共にしたあとは再び石川県に戻り、Sさんの家で夜9時から仕事の打合せ。
4月から勾玉職人として独立する計画なので、友達が色々な面で協力してくれていて、パソコンに強いSさんにホームページ作りを頼んであるのだ。
家を出て6日間で4か所で寝たことになる。
深夜に帰宅・・・爆睡。
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by jhomonjin | 2013-04-01 21:36 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(9)
このブログに翡翠や石笛についての問合せがたまにある。
石笛とは縄文前期後葉(六千年前)くらいから出土する、縄文時代の祭器と推測されている孔の開いた天然の石、または人為的に孔の開けられた石で、笛として吹かれていたらしい。
これまで出土が確認された石笛は、国内で三十例程。
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青森の三内丸山遺跡出土品の翡翠製の大珠。青森以外での大珠は鰹節形が『多いが、青森地方ではドーナツ状が好まれたようだ。石に孔があいていれば石笛と断定する専門家諸氏?がいる。


ところが石笛のなんたるかを知らずに、神秘性だけをいたずらに煽って高額に売っているネットショップが多い。
素人目にはヒスイと見分けることが困難な透閃石や角閃石製らしい石笛が、「糸魚川翡翠の石笛」として高額で売られているサイトを見つけたこともある。
また石笛情報をネット検索しても内容は玉石混淆で、相当にいい加減なものも多いようだ。
誰かが書いた間違いを孫引きの孫引きを続けた結果、おかしな情報が広まっていったようだ。

例えば青森県の三内丸山遺跡からヒスイ製石笛が出土している等。
俺が青森の教育委員会に問合せたら、石笛の出土品は無いとのこと。
この場合はどうも、翡翠製大珠を石笛と勘違いした情報のようだ。
大珠は威信財らしいと推定されている。つまり権威の象徴だ。
こんな例は沢山ある。
紐孔の直径は3㎜~5㎜程度くらいだと思うが、その程度の小孔では吹いて音を出すことは出来ない・・・と俺は思っていた。
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石笛倶楽部に入会すると、守山さんが採集した石笛が1週間レンタルができる。レンタル料金無料で送料のみ自己負担という欲の無さ。会ったことないけど、守山さんは石笛仙人みたいな人だね。石笛の愉しさを共有できればいいらしい。

ところがである。
翡翠製大珠なみの小さな孔のガラス製ビーズを吹くことのできる石笛の名人がいた。
和歌山の「笛の店 谺堂(こだまどう)」の主である守山鷲声さんがその人。
守山さんが運営する石笛(いわぶえ)というHPには、長年の石笛の研究成果が惜しげもなく大公開されている。
俺の場合は考古学的な分野と、石笛加工の分野を研究しているが、守山さんは天然物の石笛の採集と演奏法の分野の研究をされておられるようだ。
サイト上では、石笛倶楽部という同好会も運営されておられる。
守山さんと意気投合して、俺は早速石笛倶楽部に入会した。
石笛に興味のある人は是非ともご覧ください。
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石笛倶楽部では、石笛教本とCDも販売している。石笛でドレミ音階の練習や演奏曲も入っている。価格はなんと500円(+送料140円)。本当に守山さんは石笛仙人だ。いつか俺も石笛で笑点のテーマ曲を吹けるようになりたい。

このところ、ほぼ連日といっていいほど守山さんとメールでやり取りしている。
守山さんによると、古神道の大本教ではおそらく横吹きといった特殊な吹き方で神事をしているらあしいとの情報があり、普通の正面から吹く方法では吹くことのできない程の浅い孔の石笛が使用さているとのこと。
因みに大本教は今でも京都府綾部市に本拠があり、戦前の古神道の風雲児の出口王仁三郎か教祖だ。
整体の大師匠の野口晴哉先生とも交流があったようだ。
この情報を元に試行錯誤の上、守山さんは横吹きができるようになって、小孔の開いたアフリカ土産の大型ガラス製ビーズが吹けるようになったのだそうだ。

ただ守山さんも翡翠製大珠が石笛であったとは思えないとのこと。
わざわざ硬い翡翠に貫通孔を開けていることから、大珠の孔は紐を通す孔との見解。
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写真は長野県尖り石遺跡出土の有孔鍔付土器。
有孔鍔付土器という用途不明の縄文土器で、平らな縁に小孔が開いていて、その下に鍔があるのが特徴。
考古学的には、酒作り説と太鼓説がある。
出土品の中にニワトコの種が入っていたことから酒造り用の根拠。
また土器の縁に皮を張って固定する木釘用の孔とするのが太鼓説の根拠。
某パーカッショニストが、有孔鍔付土器のレプリカを作って皮を張ってライブ活動している。
ちゃんと太鼓して機能したから有孔鍔付土器は太鼓だと主張しているが、いかがなものだろうか?
子供の頃、「8時だよ全員集合!」でパーカッショニストがスプーンやフォーク、鍋を叩いて中本工事とパーカッション合戦?してたのを見た記憶がある。
プロなら音が出るものならなんでも楽器にできて当たり前だろう。
俺は頬っぺたを叩いて「笑点」のテーマを演奏できるが、俺の頬っぺたは太鼓ではないぞ。
口笛も吹けるが俺の唇は石笛ではないけんども・・・。
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by jhomonjin | 2013-02-17 21:49 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(0)
先週の土日は全国から鉱物関連の店が集まって即売会をするミネラル・フェアというイベントに参加。
俺はヒスイ販売ブースで店番していたが、ディープな鉱物マニアが各地から集まってきていて立ちっぱなしでヒスイや縄文関係の話しをし続け、帰宅してから草臥れて寝込んでしまった。
体力はまだ回復していないのだ。
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土日ともに午前中は人でごったがえして写真を撮る暇もなかったが、夕方はこの程度になるので俺も店番を隣りのお店に頼んで会場内を探検。インド人が俺の着ていたインドで作ったベストを見て声をかけてきた。

県外や市外から来た「ヒスイねっと」でヒスイ製品をチェックしている鉱物好きや、このブログの読者、「糸魚川タイムズ」に連載中の「縄文来福」を楽しみにしているなんて人なんかからも「もしかして縄文さんですか?」なんて聞かれること数回。
趣味でヒスイを加工している人なんかもネットで作品チェックしてますよ!なんて声をかけてきた。
俺の知らないところで、一部では知る人ぞ知る「縄文さん」ていうキャラになってるらしい。

嬉しかったのは高校卒業以来会ってなかった同級生達とここでも再会できたこと。
男女問わず「もしかしたら同級生?」とか「俺のこと覚えてる?」「やっぱり!だよね!!」なんて照れ臭そうに聞き合って同級生と確信できた時の懐かしさっていいもんだ。

この時も高校卒業して以来のI(同級生の皆さん、ニックネームの頭文字ですよう!)が、俺の作った1万5千円の勾玉を買ってくれた。
糸魚川の人がこの値段の勾玉を買うって、滅多にないことだ。
彼は中高とバレー部に在籍したスポーツ万能で成績優秀、男前で誰にも優しかったから人気者だった男だけど、Iにして「俺、誰だかわかる?」なんて聞いてきた。
Iはモテモテの万能選手だったんだぜ、知らない訳は無ぇよう!
彼とは中学一年の時に同じクラスになっただけだし、「もしやIではないか?声かけてみようか?でもIは俺のこと忘れてるかも・・・」っても俺も声をかけるのを躊躇っていたのだ。
「俺のこと覚えているかな?」と気後れするのも、そのことを相手に尋ねることの照れ臭さや恥ずかしさはお互い様ってことか。
当日は外国製の5百円から国産品の何十万円もする作品まで、恐らく勾玉だけでも1000個は売られていたと思う。
その中からIが「形と色に惚れた」と選んだ勾玉がたまたま俺の作品で、ガラスケースから出して見せてくれと頼んだ店番が俺だった、ということ。
嬉しい・・・Iが選んだ勾玉は苦労して完成させた作品で手元に置いておきたいくらいだったから、思春期を共に過ごした同級生に買われていくのは感慨深い。
色々な思い出が甦る。

他にも群馬から来た女性が色んな人の作品が並ぶガラアスケースの中から「形が珍しくて面白い」って二点選んで買ってくれた作品が二点とも俺の作品ということもあった。
こういったことって作者と選んだ人の波長が合うってことなんだろうか?
そのうちの一点は最近考案して製品化し始めたヒスイ製の矢じりペンダント。
矢じりシリーズは甲府から来た業者さんが「ちょっと見せて!」と3度も覗きに来たので、デザインをパクる気なのかもしれない。
「俺の真似をするのは簡単さ。でもな、俺を超えるのは難しいぜ!」って、気分はストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツだぜ。
でもって同級生っていいな!
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by jhomonjin | 2012-11-18 23:34 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(0)
このところ俺のブログ見た人から、糸魚川ヒスイや石笛の問合せが多くなってきた。
面倒なのでこのブログの関連記事を書いておく。
「ナミダのかたち」・・・糸魚川のヒスイ 2011年9月19日の記事 
「ヌナカワの底なる玉求めて得し玉かも」 2011年9月22日の記事
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自作の勾玉。真ん中のでかいのは、国指定縄文遺跡の寺地遺跡近辺の畑で拾ったヒスイを頼まれて加工した。他のは普通の勾玉が作れない大きさのヒスイから作った変形勾玉。欲しい人は「ヒスイねっと」で検索!
 

石笛とは拳大くらいの石に穴があいた楽器、つまりは祭器だ。
穴に斜めに息を吹き込めば、ピッ~と甲高い音がする。
縄文時代から使われていたが、一部の古神道系神社の神事では今でも使われているので、欲しがる人も多い。
また石笛は能管の元祖だと、まことしやかに信じている人もいるようだが、これはどうも三島由紀夫の小説にそんなことが書かれていて広まったらしい。
インターネットで神秘的な宣伝文句を並べて石笛を売っている業者も多い。
いい加減なガセネタが多いし、相当に高価だったりする。

だから俺のブログに問合せしてくる人には、「石笛が欲しいのだけど私のようなものにでも吹けるでしょうか?」とか「お守りにしたいのだが、高価なので・・・」と困惑気味の人が多い。
「プロの音楽家が吹けるようになるまで半年かかった」といった話も聞いた。

この際に言っておく。
石笛は、子供の頃に鉛筆サックやビール瓶を吹いて遊んでいた人なら誰でも簡単に吹ける。
それは音を出すだけなら簡単という意味で、石笛で演奏するようになるには相当の訓練が必要という意味。
ヒスイは硬度6もある硬い石なので、他の石に較べて良い音がするという思い込みをしている人も多いようだ。
確かにヒスイ製の石笛は、硬質な音がするけど良い音かどうかは別な話。
またヒスイの神秘的な魅力も付加して、ご利益のある祭器という評価になっているようだ。
ヒスイ職人の中には、良い音がする石笛を作るのは相当な技術が必要と言っている人もいた。
その人は同じヒスイでも組織が緻密な高級品じゃないと音が悪い、とまで言っていた。
そして誰が吹いても良い音がする石笛を作るのはとても難しいとも言っていたので、俺は笑ってしまった。
鉛筆サックが吹けない人はヒスイ製石笛も絶対に吹けない。
だから誰でも吹ける石笛って存在しない。
良い音が出せるかどうかは吹き手次第。
試しに鉛筆サックとヒスイ製石笛を吹き較べてみるといい。
材質によって音を聞き分けできる人って、よほど耳のいい人か石笛上級者だろう。

石笛は高価だと言う人に告ぐ。
縄文遺跡出土品と同じく、穴の開いた泥岩や砂岩なら海岸で拾えますわ。
糸魚川なら筒石海岸がイチオシ。
首都圏なら三浦半島の西側から七里ガ浜にかてが穴場。
沢山落ちているし、前にも書いたが、芸能人がこぞって参拝する超有名な神社の古代から伝わるご神宝の石笛が、近年になってから三浦半島の業者が納入した泥岩だったという裏話も知っている。
過大な宣伝文句を信じてはダメです。
粘土で自分で作れば縄文式の土笛の出来上がり。
音もいいし、デザインも思うがままですよう。

追記 2013年7月24日
ぬなかわヒスイ工房として独立しました。
石笛・勾玉・ヒスイに関するお問合せは下記までお願いします。
石笛動画もアップしてあります。
ぬなかわヒスイ工房 http://nunakawa.ocnk.net/

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by jhomonjin | 2012-09-23 22:08 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(5)
前回の続きですわ。
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この写真の石は、鎌倉の七里ガ浜で拾った石笛・・・イワブエ・・・である。
もっとも特定の石笛という岩石がある訳ではなく、直径10mm前後の孔が開いた石なら、斜めに息を吹き込めば簡単にピイッッ~という鋭い音が鳴るので、天然や人工も含めて吹くと音の出る石を総称して石笛と呼んでいるだけだ。

右の灰色の石が泥岩で、左の黒っぽい石の名前は残念ながら断定できない。
孔の開いた石が自然に出来るのは色々な理由があるのだけど、七里ガ浜から三浦半島に掛けての海岸では泥岩の孔開き石が簡単に拾えて、この場合はカモメガイが巣穴にする為に酸で溶かしながら穿孔していった結果らしい。
前回書いた通り、縄文遺跡からは石笛が出土(三十例ほど)しており、この場合は人工的に孔を開けているものと、自然なものが混在しているらしく、実際の用途については不明だ。

インターネットで売っていた「糸魚川産ヒスイ製の石笛」は原価からすると高すぎる。
作り方は簡単だし、鎌倉から三浦半島にかけてなら天然の石笛だって簡単に拾えるので、わざわざ高い買い物をするのはいかがなものであろうか?
あるインターネット販売業者の宣伝文句を読んでいたら、「糸魚川下流で拾ったヒスイ・・・」って出ていたが、絶対に嘘である。
糸魚川市には糸魚川という川は無いのだ。
かなりいい加減ですな。

さて、前回のコメントに糸魚川ヒスイとビルマヒスイの違いについて質問があったので、お答えします。

多くの人が目にするヒスイはビルマ産が多いと思う。
都会の鉱物ショップなどで手軽な値段で買えるヒスイもビルマ産だ。
中華圏で尊ばれているヒスイもビルマ産で、鉱物学的には軟玉翡翠(ネフライト)という鉱物だ。
ビルマ産ヒスイは透き通った緑をした均質な外見で、柔らく加工も比較的容易で、ヌメッとした光沢がある。
台湾産のネフライトは、石器として優秀らしい。
今でもパプアニューギニアの奥地で、台湾産のネフライト製石斧で樹を伐採している人もいるらしいのだ。

ところが糸魚川産は、鉱物学的には硬玉翡翠(ジェイドライト)と言うまったく別な鉱物で、ネフライトより遥かに堅くて加工が難しく、乾いた感じの光沢がある。
ビルマ産と違って、糸魚川産ヒスイは白の中に緑が入っていて、不均質な外見なので一見して地味なのだけども、緑色の深みは独特である。
糸魚川の人は、「ビルマ産は品が無い。糸魚川産は上品で和装に合う。」なんて言って、年配の女性はヒスイの帯止めや指輪を冠婚葬祭用に用意している。
因みに俺が都会に住んでいた時に出逢った初対面の女性が、糸魚川産ヒスイらしき指輪をしていたので、「失礼ですが糸魚川出身ではないですか?」と声を掛けたら図星で、「何で分かるの!」とビックリされた経験が二度あった。
ヒスイは郷土の誇りなのだ。
年配の男性なら、ヒスイ製バックルの付いたベルトだ。
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本日の糸魚川の海。秋らしい深いマリンブルーになっていた。糸魚川ヒスイの色は、砕ける波の白と太陽光に透かして見える波の裏の緑を閉じ込めたようだ、と子供の頃に思った。どこか懐かしくて切なくなる美しさだと感じた。

その加工の難しいヒスイを、糸魚川の縄文人は七千年程前から加工して国内各地に運んでいたのだ。
以降は古墳時代まで、日本ではヒスイが不老長寿を表象する宝玉として珍重されていく。

万葉集には
 沼名河の 底なる玉
 求めて 得し玉かも
 拾いて 得し玉かも
 あたらしき 君が
 老ゆらく惜しも
という和歌が詠まれているという。
沼名河とは糸魚川の古名で、ヌナカワと読む。

最後に縄文の師匠の関根秀樹先生の意訳を紹介しておく。
『名高いヌナカワの川底にあると伝え聞く、不老長寿の霊力を秘めた玉は、何者かの交易によって求めて得られる玉なのだろうか。
それとも険しい渓谷をたずね歩いて拾える玉なのだろうか。
なんとしても手に入れて、何より得難い尊い君に贈りたい。
わが君が日増しに老いてゆくのが残念でならない。』(縄文生活図鑑・創和出版)
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by jhomonjin | 2011-09-22 21:30 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(0)
この写真の透き通った緑色の二つの石は、友人のMさんが自分で拾ってきたヒスイを自分で磨き上げたものだ。
拾ってきた、といっても勿論、道端ではなくて糸魚川の海岸からである。
Mさんの本職は配管屋だが、趣味で海や川からヒスイを拾って来て加工もしている。
糸魚川にはヒスイ拾いや加工を趣味にしている人は多い。
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写真では判別しにくいだろうが、透明度がかなりあるので、鉱物に詳しく無い人ならアクアマリンだと思うかも知れない。
ご覧のように、このヒスイにはひびが入っているし、形も勾玉などのようなもっともらしくて分かり易いデザインではない。
一般的には、ひびが入ったヒスイは宝石としての価値が無いから、屑として廃棄されるのが普通だ。
しかし例え宝石として価値が無いとされる屑ヒスイでも、色が綺麗だからと最後まで磨き上げて完成させるのがMさん流だ。

形だって、専門家が作ったヒスイのようにシンメトリックではない。
Mさん式のヒスイ加工は、予め決めておいたデザイン通りにヒスイを研磨していくのではなく、綺麗な色が出る事を優先させてヒスイを研磨していくので、最終的な形はヒスイ次第となる。
だから時にはひびが入っていたり、非対称だったりの「商品的には価値が無いヒスイ」となったりする事になる。

でも俺にはそこが佳いなぁ、と感じる。
観ていると何だか儚くて、切ない感じが伝わってくる。
ナミダのかたち・・・と柄にも無い言葉が浮かんだ。

こんなヒスイがMさんの家には沢山転がっている。
佳いなぁ~、凄いなぁ~と言い続けていたら、「欲しかったらあげるよ。」と簡単に言われたが、畏れ多い事だ。
一体、これだけのヒスイをどれだけ探し続けたら拾えるのか?研磨に何時間かかったのか?

以前にインターネットで検索したら、神秘的な宣伝文句が並べられて糸魚川産ヒスイで作ったという石笛がとんでもない高額で売られていた。
石笛とは、石に孔が開いただけの縄文時代の出土品である。
孔に息を吹き込めば音がするが、笛として使われていたという証拠は無い。
ただ現在でも一部の古神道系の神社などで神事に使われる祭器ではある。

ビール瓶に息を吹き込んでボーと鳴らす要領で吹くと、ピイッ~という鋭くて甲高い音がする。
石笛が吹けるようになるまで半年もかかった、なんて話も聞いたことがあるが、子供の頃にビール瓶を吹いて遊んでいた人ならその場で簡単に音は鳴る。
「古代から相伝の神宝」と公表していた某有名神社の石笛が、実は最近になって三浦半島の業者から買っていた、なんて裏話も俺は知っている。
縄文と古神道を結びつけて語る世界には、随分と胡散臭い話しも多いので注意が必要だ。
神秘的な付加価値を付けて商品価値を高めようとする意図が見え見えなことが多い。

東京の縄文ファンから、ネットで七万円で買ったのだと自慢げに糸魚川産ヒスイの石笛を見せられた事があるが、本物の糸魚川産ヒスイなのかどうかは別にして、糸魚川で原石を買ったにしても千円位で買えそうなヒスイ?(石笛を入れてあった布袋の染料が石に染み込んで色が分からなかった)に見えた。
透明感も無い、ヒスイかどうかも分からない石に孔開けしただけのものが七万もするなんて!と正直びっくりした。
どう見ても製作時間は30分~1時間程度だろう。
言っておくが、硬度6のヒスイに直径1cm前後、深さ2~5cmもの真円の孔が開けられるようになったのは工業用ダイヤモンドの先端ビットが普及した近年になってからであって、縄文時代にはヒスイはおろか、人工的に孔の開けられた石笛は無かったのだ。
ほとんどはヤドカリが巣にする為に泥岩や砂岩に孔をあけた自然石である。

それから見るとMさんは趣味だけに商売っ気が無い。
少しは売る気持ちもあるようだが販路が無いし、自宅に来た人しか観る機会が無いのだ。
糸魚川には趣味でヒスイ製品を作っも、買ってくれる人がいないから溜まる一方の人は多い。
正真正銘の糸魚川産ヒスイの石笛が欲しい人、このブログに非公開コメント下さいな。
情報ありますよう。

追記 2013年7月24日
ぬなかわヒスイ工房として独立しました。
石笛・勾玉・ヒスイのお問合せは下記まで!
 ぬなかわヒスイ工房 http://nunakawa.ocnk.net/

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by jhomonjin | 2011-09-19 21:52 | 糸魚川ヒスイ・石 | Comments(10)