21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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カテゴリ:ガラクタ工作( 6 )

これまで俺が作った小屋は、ツリーハウスや納屋も入れれば六棟だ。
糸魚川市に帰郷してからは、自宅の庭で取り掛かっている工房が最初。
ヒスイ加工と木工の工房だけど、完成したら仲間が気軽に立ち寄れるサロンみたいになって欲しい。
だから居心地の良いデザインに工夫している。

庭に転がっていた大きな石も使って独立基礎を据えた。
ひとり作業で時間も無いので、ホゾ組みは基礎の最低限だけにとどめて、ツーバイフォー工法を応用にした現場合わせの仕事である。
今日の段階で屋根下地まで完成したが、一人で作ったにしては水平や垂直はちゃんと出ていたのでニンマリ。
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屋根下地完成。屋根と外壁が終わったら、楽しい作業の内装だ。収納や動線計画も、一服の時に離れては近づき考えながら決めていく。こういった図面無しの現場合わせの仕事は愉しい。お金を貰って請け負う仕事には無い愉しさ。


低予算の工夫、一人作業でいかに精度を出すかの工夫も愉しい。
時間がもったいないので夕方に翌日の段取りをして、晩飯を食った後に閉店間際のホームセンターに駆け込んでの資材購入の日々だ。
帰ってから深夜まで「ぬなかわヒスイ工房」のホームページ原稿仕事で、平均睡眠時間は五時間程度。

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青年会議所の定例会に招待されてミニ講演。今年度のテーマが海とのことで、縄文カヌーや縄文文化の話をした。会場の商工会議所2階の大きな会議室には、手作りのディスプレー。大人の男がこれを作った。かわいいじゃないですかっ!

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新聞紙を丸めた岩に海藻や蟹もいるという芸が細かさ。俺の出番は15分だったが、事前打合せが3回もあって述べで6時間も打合せた。打ち上げで民族楽器や古武術、整体技を披露して受けた。3次会までご馳走になりっぱなしで恐縮。
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by jhomonjin | 2013-04-18 07:25 | ガラクタ工作 | Comments(0)
以前にブログで紹介した軽トラキャンピングカー(縄文人見習い号)を改造した。
多少の雨なら問題なかったのだけど、大雨が数日も続くと出入り口から雨が入り込んでくるのだ。
それと屋根はポリカーボネード(プラスチック製波板トタン)とブルーシートを重ねてあるだけなので、2月~3月は寝袋三枚重ねでも結構寒い。

よく軽トラキャンピングカーの作り方を質問されるので、いちいちコメント欄で説明するのは面倒くさいし、コメント欄には詳しく説明するスペースが無いので、今回は順を追って解説しちゃいます。

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アオリの内側に丁寧にポリカを重ねて並べていけばいいのだけど、弾力があるので結構面倒だし、この段階の精度が強度に関わるので注意。固定は細引きで南京縛りするだけだが、南京縛りが完璧に出来ない人は諦めてくれい。

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前の段階だけでも丈夫だけど、内寸ギリギリのサイズの軟質ポリエチレン管(φ50mm)を骨組みにしてあるのがミソ。バネのように外側に広がってポリカの撓み防止になっている。塩ビ管は弾力が無いから駄目だ。

ブルーシートの固定は、ポリカとポリエチレン管の間に挟んであるだけだ。
出入り口も同じ方法で固定してある。
軟質ポリエチレン管は、最低でも30m巻き(多分2万円前後)しか売ってないようだから、土建屋か水道設備屋の知人に頼んで切売りしてもらうか、水道設備関係の販売店で新品を買うしかないだろう。ホームセンターでは売っていないし、専門店でも在庫していないのが普通。
俺の場合は有難いことに、山村の人から無料で分けて貰えた。無論、それなりのお礼はしたが、山の水を自分で引いている人が知人にいれば結構チャンスだ。
簡単に考えて塩ビ管で代用したいなんてコメントを貰った事があるが、柔軟性と弾力性が無いのでほとんど無理だと思うし、走行中に折れてしまう危険もある。
俺の場合は長さ2.7mにカットした管を五本使っている。
最初は内寸ギリギリの管をポリカに嵌め込むのでさえ難儀するし、さらにブルーシートを間に挟むのも不可能に近く感じるが、慣れ次第で早くできるようになる。
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軽トラのロープフックは数が少なく、補強の意味で物干し竿利用のポールを使ってロープ掛けを増設してある。この意味が分からない人は残念ながらこの方法でのキャンピングカー作りは無理でしょうな。

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ウィークポイント改善案。寒さと結露対策として、ホームセンターで買ったPPボード(五百円前後)という4mm厚みの板を内張りにした。でも傷物が半額で売っていたので衝動買いしてしまったというのが真相。

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ウイークポイント改善案その2。ポリカとアオリとの隙間からの雨水の浸入だ。二間×一間半のシートを折り返してアオリごとスッポリと覆えば大雨でも大丈夫だ。但し、ポリカだけだと雪が自然に滑って落ちてくれる利点はある。

以上だが、組み立てで一時間、分解収納で三十分位はかかる。
掛かった費用は二万円弱。(但し軟質ポリエチレン管は含まず)
面倒くさいことは止めて、市販品の軽トラ幌を(六万前後)買えばキャンピングカーに改装するのは簡単だし、居住空間も広い。
この場合の欠点は分解に手間がかかり、収納スペースもそれなりに必要だということだろう。
後は自分で工夫する愉しみが減ることだね。
確かダイハツの純正品でジャバラ式に折畳める軽トラ幌があったようだが、糸魚川のように海風のきつい街では強風で吹き飛ばされた、なんて話も聞いている。
写真でしか見た事は無いけど、昔のダイハツの軽トラには後輪がキャタピラーになった車種もあったそうだ。
ダイハツって、面白い会社だ。
中古車で赤帽仕様の軽トラだって売っている。これは俺と同じスバルのサンバーですな。
友達にはウケると思うが、デートで面白がってくれる女がいれば良いけどな・・・。
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by jhomonjin | 2011-12-02 20:45 | ガラクタ工作 | Comments(5)
関根師匠から、ワークショップの案内メールがきた。
何度も紹介しているが、関根師匠は俺の縄文文化や民俗学の師匠で、縄文カヌープロジェクトの顧問でもある。
師匠は本職が分からないほど色々な仕事を持っているのだけど、正式な職業は東京の鶴川市にある和光大学の教員である。

師匠は火越しの達人として著明であることは無論だけど、縄文時代の生活技術を始めとして染色や木工、刃物など何でもとことん追求して、自分でやちゃう多才な人だ。
本だって沢山書いている。
今回のワークショップは民族楽器作りだ。
関根師匠はよくテレビや雑誌、博物館イベントなど、ライターやコーディネーターなんかもしているが、何年か前に「タモリ倶楽部」という番組で、民族楽器の紹介をしていた。
番組の中でタモリが大喜びで遊んでいた楽器が、今回のワークショップで作る楽器だ。
熱い夏に21世紀の縄文人に会いに行ってくれい!
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火越し1
火打ち石で火越しする関根師匠。お願いすれば火打ち石の拾い方や、100円ショップで買える火打ち金の代用品など、愉しい情報も聞けると思うよ。でもお願いするからには何か謝礼をしてくれい!

首都圏在住で、民族楽器作りに興味のある人、刃物扱いの基本を勉強したい人、火越しを体験したい人は是非とも参加して下され。
但し、今回は民族楽器のワークショップなので、それ以外の事で関根師匠のお話を質問したり、技を学びたい人は、ワークショップ時間外に関根師匠の都合を聞いたうえで、直接お願いして下さいな。
残念ながら、中には社会人の癖に厚かましくも「見せて下さい!⇒有難うございます!!」で済ませちゃう人が圧倒的多数です。
師匠はサービス精神旺盛で大らかだから無礼打ちされる心配は無いですが、本当に常識の無い社会人が多いんですわ。
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火越し2
弓錐式火越しもやっちゃう師匠。この方式は縄文時代晩期(三千年前)の北海道の遺跡から出土品が
確認されているらしい。因みに師匠の錐揉み式での発火記録は6秒で、ギネス記録になった事もあるそうだ。

そんな場合にはそれなりに謝礼をお考え下さい。
お金じゃなくても、真心がこもった贈物、先生が喜びそうな耳よりな情報・・・博学なのでちょっと難しいですな・・・でもいいです。
因みに師匠はお酒は飲みませんし、家族は三人です。

ワークショップの後にゆっくり話しが聞きたかったら、お茶や食事にお誘いして関根師匠を独占しちゃう手もありますが、そんな場合は支払いは誘った側持ちというのが礼儀というもんですな。

以下は師匠からのメール文です。
面白いからワークショップの案内以外も大公開しちゃいます。
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師匠の本1
縄文関連の本。「縄文人になる」の表紙の縄文おじさんを関根師匠だと思い込んでいる人が結構いる。内容を普通に読めば別人だと分かるのだけどね。



師匠からのメール
所ジョージの「学校では教えてくれないそこんトコロ」という番組からの依頼で、打ち上げ花火で音階と和音とメロディーを作ってくれというモノを知 らないテレビ屋のバカな要求につきあっています。

肝心の基音が一定じゃない上に火薬の燃焼と童子に変化するんだからハナから無茶なのですが、秩父の花火屋さんと協力してなんとかなりそうです。
 花火工場は静電気火花防止で冷房もなく、先週は外気温39℃、工場内42℃の中、実験実験で三十数年ぶりに火薬まみれ、硝煙まみれ。
血が騒ぐ日々でした。 関根秀樹 

内容は、音響人類学ゲリラゼミナール第2弾 「サウンドオブジェと民族楽器をつくる」
今回は、宇宙のような深海のような洞窟のような幻想的で不思議なエコー音を生む「スペースリバーブ(別名スプリング・リバーブ)」と、江戸時代から伝わる竹の鳥笛を作ります。
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師匠の本2
民族楽器関連の本は絶版になっていて、オークションで高額で取引されている。「竹でつくる楽器」の写真モデルの男性が関根師匠で、後藤久美子似の美しい女性が奥様。図書館で借りて予習してみて下され。

スペースリバーブは、1970年頃に鈴木昭男さんが発明した名作音具「アナラポス」の改良型で、こればかりは実際に音を聞いてもらわないと説明しようがありません。
使用する特殊な1メートルの長いスプリング(高純度ピアノ線による特注品)が高価なので、材料費・資料代(道具・工具はこちらで用意します)で4000円。
プラス何かお茶菓子一品持ち寄り。 
炒りたて挽き立てのドリップコーヒーと、ハーブティーやほうじ茶などが出ます。
鈴木さんのアナラポスは28年前で1万円以上しましたし、音のかなり悪い類似品が6000円前後ですから、高くはないと思うのですが。
ただ、あまり参加者が少なくても企画してくれた人たちに悪いので、材料費・資料代3000円でうなり木とスピリッツキャッチャーを作るコースも用 意します。
日時と場所
7月24日(日) 13:00~17:00  
会場は和光大学 D棟 112教室。
 
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by jhomonjin | 2011-07-04 20:53 | ガラクタ工作 | Comments(4)
小滝で合ったNさんの自作軽トラ幌に感動して、俺もポリカーボネイド製の波板を使って幌を作ってみた。
軽トラの長所は荷物が沢山積めることだが、その反面として人間が二名しか乗れず、助手席に人が乗っている時には荷物を荷台に積むしかない事だ。
そんな時に濡らしたくない荷物は各自で工夫して、プラスチックコンテナを荷台に載せてトランク代わりにするか、幌を付けるしかないのである。
幌を付ける場合は、メーカーオプションの幌を付けるか、または幌屋さんに注文して幌を作って貰うのだが、七万円前後の金が必要だ。
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JJM号
ポリカーボネイド製の波板は透明なので、内側に荷物の緩衝材に使う「ミラーシート」という薄い発泡シートを張った。JJM号とは縄文人見習い号の事だ。バイクでも車でも名前をつけると燃費が良くなのだぞ。

ポリカーボネイド製の波板を曲げて荷台に積み込み、細引きで縛るアイデアは雪国の山間部では良くある事らしいが・・・俺は見た事はないが、長野県白馬村付近でよくやっているらしい・・・Nさんの工夫は波板の内側に骨組を入れて補強しているところが一味違うのだ。
補強がないと横風に弱いし、危なっかしくて高速道路は走れない。

Nさんが選んだ骨組みの材料は、山から水を引く時に使う黒い直径40mmの硬質樹脂パイプだ。
このパイプは適当な弾力があって、塩ビ管のように曲げても折れたりはしないから、色々試した中でこのパイプがベストという事になったらしい。

作り方は簡単で、慣れたら取り付けで30分、取り外しで10分くらいしか掛からないと思う。

まず長さ2.7m×幅60㎝(九尺物)のポリカーボネイド製の波板(一枚1,900円弱)をアーチ状に曲げて荷台に乗せる。
この段階では波板の端はアオリ(可動式の荷台の壁)に当って自立しているだけだ。
この長さの波板なら、軽トラのキャビンより少し低めの幌になるので、法的には問題がないのである。
・・・警察に行って調べてきた。問題になるとすれば走行中に幌が飛んで事故になった場合だそうだ・・・
二枚目以降は、順次等間隔に重ねていくだけだが、軽トラの荷台の長さは1.9mだから全部で四枚あれば荷台が全て覆われる事になる。
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普段のJJM号
万一に備えて迷彩模様のビニールシートを掛けて波板がバラける対策をしてある。また波板がむき出しだと人目を集めるので、普段から迷彩模様のシートを掛けるようになったが、余計に目立つという指摘がある。

次は直径3mm.のナイロンロープで波板の上から縛っていくのだが、ここから先はロープワークの技術が無いと無理なので、挫折する人も多いだろう。
といっても必要なロープワークは南京縛りと、その応用だけなので「現場の人」なら大丈夫だ。
南京縛りは、荷物をテンションをかけながらギチギチに縛る時には必須の技術で、アウトドアでもよく使う便利な縛り方だ。
南京縛りが出来ない人は、ロープワークやアウトドア(遊び以外にも農業、漁業、建築、土木などの仕事含む)の実力の乏しい輩だと思った方が良い。
それくらいこの縛りはアウトドアでは良く使うロープワークだ。
自分でもやってみたい人は、作り方の詳細は写真を観て各自で工夫して下さい。
自分で作れる人なら、これだけの情報でも工夫してなんとかなるでしょう。

Nさんの工夫の素晴らしさは、最初に骨組みを組んでから波板を被せるのではなく、波板を縛っておいてから後から骨組みを内側に入れるところにあるのだ。
硬質樹脂パイプは波板より1cm短く切ってあって、アーチ状に曲げてから波板の中で手を離すと、弾力で外に広がって波板を内側から押上げる応力が働く。
全部でパイプは五本いれてある。
つまり波板は上からはロープでテンションが掛けられ、内側からは硬質樹脂パイプで押上げられているので、完成すると相当な強度になっているのである。
高速道路を走ってもびくともしないし、普通の軽トラ幌は四角い形状で横風に弱いのだけど、Nさん方式は幌馬車のようにアーチ状なので横風にも強いのだ。

Nさんは冬季間の荷台の雪除け対策でこのアイデアを思いついたのだが、俺の場合はキャンピングカーにする為だ。
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幌馬車!
大人なら無理すれば二人並んで寝られる。こんな場合の床断熱は、長年のアウトドア経験からいって『お風呂マット』が一番良い。硬めの安いマットを選ぶのがコツ(一枚500円前後)。


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夜明け!
寝袋の二枚重ねにインナーシーツという組合せで寝た。予備に3シーズン用の羽毛寝袋もあったが使わずにすんだ。断熱材のお陰か結露もなかった。
夜明けのコーヒーが美味かったぜ。

俺はNさんのアイデアにさらに改良をして、断熱材取付やロープの補強、開口部の雨風対策などばっちりとやったので、真冬でもテントより快適なキャンピングカーになった。
かかった費用は1万3000円だ。

JJM号(縄文人見習い号)を観た俺の姉貴は、「凄ぉ~い、『大草原の小さな家』に出て伐る幌馬車みたぁ~い!」とはしゃいでいたが、普通の人はこの中で寝たいとは思わないらしい・・・。
俺もお気に入りなのだが、どうですか皆さん、カッコいいと思いませんか?
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by jhomonjin | 2011-03-06 00:25 | ガラクタ工作 | Comments(17)
除草機編
現代農業の5月号に出ていた様々なタイプの除草機について、研修先の農園の社長から試作して欲しいと依頼があったので、ビニールハウスにビニールを張るた為の波型スプリングを利用した除草機を二つ作ってみた。
二つとも原理は同じで、スプリングを板に留めて田植え後の田んぼを引きずる事で、雑草の除草と田んぼの表面を引っ掻いて濁らせる事で水の保温効果を出す、というシステムだ。
人力式と動力式の二点である。
最初はオリジナル品と同じ人力式を試作してみたが、効果はあるものの広い田んぼを引きずって歩くのは疲れる、という事なので次に動力式を試作した。
これは小型のエンジン付き除草機の後ろに、兆番で上下動出来るスプリングを付けてみた。
また、除草機の後ろにスプリングを付けると、操作する人の足に当たって歩き難くなるので、除草機のハンドルを、ゴミ捨て場から拾ってきたアルミ製物干し竿で延長してある。
延長したハンドルもスプリングも工具無しで取り外し出来るように、蝶ネジで固定した。
バイクいじりをしていた事が、こんな事で役に立っている。
時間があれば、バイクの手曲げハンドルの手法で、延長したアルミパイプも格好良く手曲げしてみたかった。
中空パイプはただ曲げるだけでは、内側が凹んでしまう。パイプを凹まさずに綺麗に好きな形に曲げるには、パイプの中に砂を入れてからバーナーで焼いて曲げるといいらしい。
バイク改造の神様と呼ばれたポップ吉村が開発した技術だ。いつか試してみたいもんだ。
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動力式除草機
除草機とスプリングの間にある4つの白っぽい木材が兆番で上下するので、田んぼの不陸やカーブの際に自在に動く工夫をした。





ビビラ編
ビビラとは、田植えの時に正確な升目に田植えをする為に、田んぼに線を描く機具だ。
都会の中学校が田植え体験に来る、というので田植え機を使わない手植え様に作って欲しい、とこれも農園からの依頼で作ってみた。

地方によって名称は違うと思うが、上越市近辺ではこの機具をビビラと呼んでいるようだ。
因みに同様な機具の糸魚川での名称は不明だが、糸魚川の古老は熊手の事をエビラと呼んでいるので、本来は熊手状の機具の総称で、訛ってビビラと呼ばれているのかもしれない。

これは裏表に青竹で作った竹べらを表を一尺間隔(約30cm)、裏を六寸間隔(約18cm)に取り付けてあるので、一つのビビラの表で条間の線を描き、裏で株間の線が描ける工夫がしてある。
お手本は近所の農家にあったが、実物を見たのはほんの三分位で、手に持ってバランスや重さの感覚を確認して、後は竹の長さや太さの寸法を測っただけである。
後は重量の軽減やバランスの取り易い工夫を独自にしてみた。
竹の伐採と必要資材の購入時間を入れて、正味8時間程の仕事だ。
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ビビラ
オリジナル品に較べると、かなり軽い上に剛性も高いので、バランスが良くなっている。
幅3mもある。






残念なのは、本来は竹を使用する場合は、竹の伐採を寒の内(12月くらいから2月位)にすべきが、急な依頼だったので、5月に伐採した事である。
春になると竹は水分を吸い上げて、せっかく作っても黴たり、乾燥によって割れたり、最悪なのが虫が入ったりしていて、長持ちしないからだ。・・・経験からすると、虫が入っていた場合は、2年~3年目くらいから竹に孔を開け始める。細かい木屑が竹の下に溜まっていたり、小さい孔が開いたりしていたら、虫食いの証拠だ。こうなったら木酢液や殺虫剤をかけるしかない。・・・
せめてもの対策として、竹の伐採は新月に行なった。
それと伐採した竹は、葉っぱを付けたまま、一週間ほど竹藪に立てかけておいた。
こうする事で木の中の水分を葉っぱから蒸散させて乾燥させる、葉枯しという樵がする技法を応用してみた。

あらゆる植物は、新月には水を地下に下げ、満月に水を吸い上げる、という性質がある為で、この性質を知っていると、種蒔きや接木は満月に行なうと成功率も高くなる・・・らしい。
ちょっと知ったかぶりを書いてしまったが、現代農業の出版元の農文協から出ている「月と農業」に書いてあった。


除草機もビビラも、農園の人達から実物や図面も無しでよく作れるね、と驚いていたが、「何故この形・サイズなのか?」と作者の形に込められた想いを察する事が出来れば、後はその想いの再現と過去の経験からオリジナル品の改良点を見つけ出すだけなので、周りが思う程は難しくない仕事だ。
こういう仕事があるから、農業は面白い。
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by jhomonjin | 2010-06-07 00:10 | ガラクタ工作 | Comments(4)
4年前に横浜の大船観音の裏手にある山林に囲まれた畑にツリーハウスを作った。
俺の趣味の一つに廃材利用のガラクタ工作があるが、これはその建築版だ。

これまでに五棟の小屋を作ったが、全ての建物に共通している点は廃材の利用である事で、現場あわせのツギハギだらけの建物なので「ハウルの動く城」みたい、とよく言われる。
何故だか子供の頃から人に見捨てられたガラクタを見ると、なんとか工夫して再生出来ないか?と燃えてくるのだ。(つまり俺は弱いモンの味方なのだ・・・かな?)
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ガラクタ工作最新版
拾った梯子で棚を作ってみた。
最上部の緑の横棒は、竹を差し込んだタオル掛け。






三棟目の四畳半サイズの納屋を見た友人が、子供の頃からの夢だったツリーハウスを是非に作って欲しいと頼まれた事から、その話しは始まった。
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三棟目の納屋
ツーバイフォー工法の応用で作った四畳半サイズの納屋。軒先にぶら下っている鎖は窓の固定用で、任意の高さで調整できる。廃材利用率60%位。



普段の俺なら人から頼られると「俺にまかせろっ!」・・・古今亭志ん生の「風呂敷」に出てくる兄ぃの仕草を連想して下さいな・・・と持ち前の義侠心で相談に乗るのだが、その当初はツリーハウスの作り方も知らないし、当の友人も資金は無いという事で即答はしなかった。
友人の話しでは、ブログでツリーハウスのワークショップ開催の通知をして、仲間作りと資金を集める計画だと言う。
そんな計画は俺にとってはまったく現実離れした話しで、誰が会った事も無ければ実績の無い一個人に金を出すもんか、と半ば呆れて「無理だと思うよ・・・」と煮え切らない返事をした。
資金の事もあるが、これまでの経験からド素人が何人いても足手まといになるばかりで、仕事の能率は俺一人のほうが断然良くなるのに決まっているからだ。

しかし、ツリーハウスの魅力は捨て難い。
映画「スタンドバイミー」に出てくる子供の隠れ家に憧れを感じる人も多いだろう。
あるいは少年時代に読んだハックルベリーに出てくるツリーハウスや、十五少年漂流記で少年達が棲家としたフレンチデン、ロビンソンクルーソーの丸太で囲まれた小屋なども。
本職の大工が作った家ではなく、素人があり合せの材料で作った創意工夫に満ちた小屋に魅力を感じるのだ。

俺の子供の頃も、あの映画に出てくる子供たちのように秘密基地でよく遊んでいた。
叔父の経営する土建屋の資材置場は海に面していて、近所の子供達の恰好の遊び場になっていた。
そこにはユンボやブルドーザー、ジープやダンプといった重機が鍵も掛けられずに置いてあり、かくれんぼや戦争ごっこ、忍者ごっこ、運転ごっこに夢中になった。
子供達の一番人気の遊びが、重機や資材の陰でガラクタや資材を利用しての秘密基地作りだ。
数日で職人に見つかって解体されてしまう運命だが、それでもみんな熱中していた。
たまに熱中し過ぎて、職人が近づいても気付かないでいると、怒鳴られて蜘蛛の子を散らすように逃げるのもスリルがあって楽しかった。

秘密基地では戦争映画の真似をして手榴弾に見立てた爆竹を投げあったり、導火線を長く伸ばして時限爆弾を作って逃げたりといった危険な遊びは大人気だった。あるいは爆竹をほぐして火薬を集めて新聞紙で包み直して小型のダイナマイトモ作ったりもした。
そんな遊びをするには、刃物やマッチは必須で、子供達のポケットには肥後の守(知らない人も多くなったが、当時は文房具店でも売っていた折畳み式の廉価ナイフだ)やマッチが常に入っていて、何でも工夫して遊んでいた。
雨や風が強くて浜辺で遊べない時など、皆で秘密基地に集まっては駄菓子屋で買ったホカホカの鯛焼きを喰ったりしていた。
有難い事に、その仲間達もまだ何人かは地元に残って、けんか祭りを支えている。

そうした大人達の目の届かないところで、子供だけで「隠れてナニカイケナイ事をする」経験は、実は物凄く大事なのではないだろうか。
イケナイコトといっても特別な事でなくて、「この話しは誰にも言われんぞ」「うん、誰にも言わん」と、他愛のないちょっとスケベな話をガキ大将から教えて貰ったりといった程度で充分なのだ。
あるいは親に叱られた子供は、夜になってもふて腐れて一人で秘密基地で遊んでいたり、といった経験である。・・・実際にあった話しです。俺の事じゃないけど・・・

小一の時に初めて一人だけで作った秘密基地をガキ大将に見せた時、「これ、本当におまん(お前の方言)一人で作ったんか?・・・これでおまんも一人前だわ!」と言われた時の誇らしさっていったら無かった。あの時の嬉しさが今もガラクタ工作に向かわせているのかも知れない。

叔父が亡き後は土建屋も解散して、今では更地となっている。
あれほどに広大に感じていた資材置場跡も、大人になってから立ってみると意外な程に狭いのだ。
子供時代の半分にも感じないのが不思議だ。胸がキュンとなる。
「スタンドバイミー」を観た時に、忘れかけていたあの時代の事を急に思い出した。
人生で最良の時代だったのかも知れない。
そして職人に見つかると怒られるとはいえ、彼らは学校や親にも苦情も言わず、立入禁止の柵も作らなかった大人達も実におおらかだった。古き良き70年代だ。

さて、ツリーハウスだが半年もする内にひょんな事から大きなウッドデッキの解体材が入手出来た。
丁寧に古釘を抜き、製材してみるとちょうど四畳半サイズのデッキが張れる見積もりだ。
友人にその事を伝え、提案して補足材や金物などの資材は仲間内に共同募金を呼びかけて補う事になった。
場所なら大船観音の裏の畑がある。資産家の友人が使っていない畑を無料で貸してくれているので、仲間内で自然農法をしていたり、俺が縄文土器の野焼きをさせて貰っている場所である。
三棟目の納屋の後ろにちょうどお誂え向きの大きなケヤキの樹もある。
そこは大船駅から車で10分もかからないというのに、雉や狸が出たりする人気の無い山林の中にあるのだ。

あとはツリーハウスの具体的な工法だ。
専門書を読んだが、どの本も樹の幹や枝に材木をボルトや釘で固定しろ、と書いてある。
首都圏のツリーハウスの実物も観てまわったが、どれも本と同じ工法で作ってあった。

俺が樹ならそんな事はされたくないので、知人の大学の先生や木工家、植木屋(浅草の植木屋さんで検索して下さいな。北村造園のシンタローです。首都圏の人、庭木のお手入れを注文してやってくれい!)といった樹の専門家達に聴いてみたが、誰しも俺と同意見だった。

そこで樹には一切触れず、ケヤキを囲む形の高床式のウッドデッキを作る事になった。
ツリーハウスというからには屋根と壁はあるもんだが、そうなるとメンテナンスが面倒で、数年したらUターン帰郷する身の俺としては、10年後に責任が持てないので関係各方面には勘弁して貰った。

デッキを組むにしても地上3m近い高さだ。
基礎でケヤキの根っこにダメージを与えたく無かったので、整体で学んだ内観の技術を駆使して位置や向きを決めていった。

基礎部と建前だけ友人達に手伝ってもらって、あとは休みを利用して独力で一ヶ月で完成させた。
一度でも本気モードに入った俺は、何事も文字通り寝食を忘れて没頭する癖がある。
時間の感覚が無くなり、腹が減る事も忘れてしまうので、気が付けば暗くなってからフラフラになって、朝から何も食べて無い事に気が付くのだ。
自宅で縄文土器や工作を始めた場合は、平日であるにも関わらず新聞配達のバイクの音で夜明けが近い事に気が付いて慌てた、なんて事はザラで、そんな時は遊びに夢中になっている子供と同じなのだ。
そして俺にとって、そんな時間が無上の愉しみだ。

ツリーハウスは月見には最高の場所だ。
仲間を集めて焚火料理でもてなして、十五夜の会や満月ライブを何度も開いた。
俺は遊びの場を提供するだけで、後は参加者が各自に面白い集まりになる工夫をしてもらう。
料理も焚火のメインデッシュだけ作って、各自が人に喜んでもらえそうな料理を一品持寄り形式にする。参加者に勝手に愉しんでもらうのだ。
薪割り稽古会の会場にもなったし、ある友人はツリーハウスの横に藍の種を蒔くところから始めて、夏場限定の藍染教室の会場にしている。
ある満月の晩には、俺が作った縄文土器で、縄文時代にあった食材限定で鍋パーティーも開いた。

俺が糸魚川に帰郷する直前には、カズさんと友人のプスポス大谷がライブをやってくれた。
ポスポスはツリーハウスライブをずっと無料で出演してくれていた口琴奏者である。
焚火の爆ぜる音とアンプラグドの音楽。虫やフクロウも鳴いていた。
灯りはロウソクと焚火の炎だけだ。良いライブだった。そして良い晩だった。
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ツリーハウス
屋根も壁も無いウッドデッキだが、ケヤキは苛めてないのが自慢。
普段は人が訪れる事も稀な場所も、イベントの時には大勢遊びに来るので、ケヤキも嬉しいのでは?と悦にいっている。木登りをしたことの無い子供も、地上2.7mの見晴らしに大喜びだ。
冬の落葉したケヤキも良い姿。夏は木陰が心地よい。


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ツリーハウスのデッキ
デッキチェアも捨てられる直前を貰って補修した。
ここにいるだけで愉しい気持ちになる、とよく言われる。
俺はそんな声を聴くのが、ちょっと照れ臭いがなによりの愉しみだ。

10年も住んだ神奈川県の藤沢を離れる時、一人でツリーハウスとケヤキにお別れの挨拶に行った。
再び「スタンドバイミー」を観た時と同じ感覚が甦った。胸キュンだ。

今でもツリーハウスは畑をする人の憩いの場として、あるいは藍染の会や味噌作り、餅つきの年中行事の会場として人気者だ。

身体教育研究所の鎌倉稽古場では、月に一度の「藁の会」の会場にしている。整体の勉強に藁で足半(あしなか)という草鞋の一種を作る稽古をしている。興味ある人はお問合せしてみて下さい。
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by jhomonjin | 2010-04-25 22:17 | ガラクタ工作 | Comments(2)