21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

<   2012年 03月 ( 5 )   > この月の画像一覧

3月最後の休日に内部抉りの80%くらいまで完了。
横移動だけなら一人でも可能なくらいに軽るくなった。
木の内部に埋もれていた節が5箇所ほど露わになってきた。
多くの節は硬くて加工しにくいだけだけど、左舷船尾にそのうちに抜けそうな「死に節」もあってちょっと心配の種となっている。
それと心配の種は運搬用の車の手配だ。
明星丸は全長5.5mもあるので流石に軽トラというわけにはいかない。
誰かボランティアで2tトラック貸してくれる人、ご紹介して!
f0225473_641598.jpg
3月25日時点。普通なら木の凸凹が平になるまで削ってから船体を加工するが、その作業は丸木舟の出来あがり寸法が小さくなってしまう。今回は凸凹をそのまま活かして少しでもでっかく作る了見だ。左の船縁が変な形状になっているが、ちゃんと線は通っている。

以下は「縄文来福」の6回目
伐採は平成二十三年四月三日と決まった。
丸木舟作りの民俗例では、伐採時に関係者が集い、司祭が儀式執り行うのが一般的だ。その点は縄文時代も同じだったと思う。しかし当時のわたしにはまだ仲間もなく、神主を呼ぶお金もなかった。だから伐採一週間前と前日の二回、人気の無い夕方を選んで一人きりでお祓いをした。
構想十五年の夢が叶うのだと希望で胸が膨らむ、という気持ちは微塵も無い。むしろ生きた樹を自分の都合で伐採してしまうことの後ろめたさと、完成させることへの責任の重さが入り混じった畏れの気持ちしかなかった。
夕闇せまる頃、二m近い残雪の中から威風堂々とそそり立つ唐檜の前に蝋燭と線香を灯し、塩と米、酒を供える。拍手を打つと「パァーン、パァーン」と辺りの林に反響した。「貴方のイノチはけっして無駄にしません。小滝丸と名付けた丸木舟を作らせて頂きます。多くの人を乗せて、末永く喜んで貰える縄文時代の丸木舟です。未熟者ですが何卒、伐採をお許し頂き、丸木舟を作らせて下さい。」と唐檜に頼んだ。
[PR]
by jhomonjin | 2012-03-26 06:50 | 縄文来福 | Comments(0)
陶芸家にして彫刻家でもある雪割窯の水野さんにカヌー作りを手伝ってもらった。
2日間で大幅に進捗。
一人だと迷ったりする難しい局面でも、信頼のおける木工技術を持った相談相手がいると決断だって早いし、相乗効果で飛躍的に作業効率があがる。
f0225473_2037341.jpg
電動工具には慣れていない水野さんに電動カンナを使ってもらう。手作業と違って作業効率がベラボウに高いのにビックリしていた。電動工具で粗く削った後に斧で仕上げをしていくが、流石に上手だった。

例えば水野さんに作業してもらって、俺が離れたところで俯瞰して「もっと大胆に削ってよ」とか「右が高いね!」なんてことも可能だ。
カヌー作りは対象がでっかいので、一人だと左右や高低バランスが一度に確かめられないから、他人が客観的に判断してくれるという場面は実にありがたい。
f0225473_20372895.jpg
3月18日夕方の状態。面取り状態から曲面に仕上がった。二人作業は早いし仕上がりも綺麗だが、誰でも良いわけではなく、あるレベル以上の木工技術は必須。自分の道具も持っていること。自分で状況判断できること・・・などなど。

水野さんは相当な几帳面なので、「ここんところが2mm高いとちゃうかな?」なんて真剣に相談してくる。彼は木彫をやっていたので、小物だと2mmの凸凹は目立ってしまうだろう。
だけどカヌーはでっかいので2mm程度の誤差はどうでも良いのだ。
大雑把な俺とは対照的だけども相性はいい。
f0225473_20381993.jpg
3月20日夕方の状態。ポリネシアのカヌーに似たフォルムだが、縄文丸木舟の枠をはみ出さないレベルだと思う。もっとも何千年も土に埋っていた出土品はこんなに綺麗ではないし、石斧仕上げだからもっとガサガサした肌合い。

残すは内部の刳りと船体の成形だけだから、予定通りに3月中に船体の80%が完成するようだ。
90%までできたら高浪の池に一ヶ月は水船状態にして半水没させておきたい。
水の浸透圧で内部樹液を追い出す「水枯らし」である。
6月になったら空気乾燥させて仕上げ作業だ。
f0225473_20385149.jpg
3月20日夕方の状態。船内の抉りも40センチほどの深さになった。あと10cmは底を深くしたい。イチバン狭いところでも俺のケツがスッポリと入るサイズだから小滝丸より大分でかくなった。


そしたらこの舟(明星丸)で7月に28キロ離れた上越市まで航海予定である。
漕ぎ手募集!
[PR]
by jhomonjin | 2012-03-20 20:57 | 日本海縄文カヌープロジェクト | Comments(0)
縄文キッズ養成講座「震災の日に縄文の火起こしを学ぶ」で5,500円の寄付金が集まった。
小額といえども浄財だ。
被災者に直接役に立って欲しいから、長年の盟友である山田征さんに送金した。
彼女は草の根運動の草分け的存在として40年近くボランティア活動を地道に行っており、ホームレスの自立厚生支援、フィリピン少数民族の支援、環境問題提起とその活動は多岐に渡っている。
活動の財源は彼女自身の講演会や著作、支援者の寄付金などで賄っている。
その活動は自他共に認める「ひとりNGO」で、それは組織化による運営資金発生の問題や管理業務の煩雑さに縛られたくないという征さんの哲学によるものらしい。
あるNGO団体では、集まった寄付金の六割が職員の給料や組織運営費になっているそうだ。
f0225473_21534917.jpg
電気のないラオスの村では、焚火がテレビの代わりをしていた。のんびりと焚火を囲んでタバコを燻らす。タバコの葉も竹製のパイプも自家製。少ない薪で長時間の焚火を上手にしていた。


今回の義援金は、征さんの盟友である歌手の南こうせつさんの縁で知遇を得た、福島県双葉町の被災者に渡して貰えることになった。
双葉町は福島第一原発のある町だそうで、住民は役場ごと埼玉県加須市に避難しており、今でも寒い体育館で集団生活をしているようだ。
双葉町の町長は、地域活性化を原発に委ねてきたことの責任の重さをで痛感して、今は町民の生活環境改善のために獅子奮迅の活動をされているらしい。
f0225473_21582441.jpg
ガスがなくたって、炊飯器や鍋がなくたって竹筒でご飯を炊いちゃうタイの人。ビニール袋に入れた米でさえ焚火で焚いちゃうのである。東南アジアの人達なら震災の時でも逞しく生抜いていけるだろう。俺たちも負けずに原始力復興しようぜ。

この件で電話で征さんと話していたら、驚くことに彼女が事務所にしている三鷹市の「ヤドカリハウス」は去年の10月下旬から電気を止められているのだという。
(ヤドカリハウスはレトロなダイヤル式電話なので、これは電気がなくても使えるらしい。)
何も電気料金を滞納しているわけでなく、昨年春から電気料金に上乗せされている「太陽光発電促進付加金」分の支払い拒否をしていたからだ。
この付加金の存在を知っている国民が一体どれだけいるか?
ほとんどの人は電気料金の領収書明細なんか見ないだろう。

太陽光発電の余剰電力を電気会社が買い取る制度があるのは誰でも知っていると思う。
だけどその電力会社が買い取った筈の電気料金を「太陽光発電促進付加金」という名目で、電気料金に上乗せして国民が支払うっていう制度がそれだ。
嘘だと思ったら電気料金の明細を見て欲しい。
俺も初めて聞いた時に我が耳を疑ったし、そんなインチキあるかっ!て憤った。
金額は20円くらいだけど、彼女は太陽発電余剰分の電力を電気会社が買い取ったのだから、その分の電気料金が安くならなきゃおかしいし、よりによってその「買い取った」筈の電気を国民が負担しなきゃ駄目、という論理に納得できないとしてその分の電気料金支払いを拒否しているのだ。

既に電気のない暮らしは6ヶ月目に入ったという。
冷蔵庫は元からないし、テレビとも無縁な生活をしていたから不便なのは灯りとFAXが使えないことくらいみたいだ。
因みに夜は和蝋燭と蜜蝋蝋燭の灯りだそうだ。
現代の東京で、堂々と電気なしの生活を実践しているのだ。
勇気があるなぁ、と思う。
[PR]
by jhomonjin | 2012-03-17 21:40 | サバイバル | Comments(0)
震災から一年目の今日、糸魚川は二日続きの小雨があがって快晴になった。
そして今日は関根師匠の呼掛けで各地一斉に開催される火起こしイベントの日だ。
糸魚川では「縄文キッズ養成講座 3・11震災の日に縄文の火起こしに学ぶ」を行なった。
参加者は老若男女16名。

f0225473_20581254.jpg
錐もみ式、紐きり式、弓きり式、舞きり式火起こし等の各種摩擦式発火法の他、番外として火打石も用意した。火打石はヒスイという豪華さだ。もっとも舞きり式発火法は火打石より歴史が浅く、二百年前に発明されたらしい。

f0225473_20585265.jpg
弓きり式火起こしに挑戦する土田孝雄先生。有名な郷土史家で縄文カヌープロジェクトの会長をしてもらっている。寒いのに最後は熱くなって上着を脱ぎ捨てて夢中になっていた。正真正銘の縄文キッズだね。

この時期、糸魚川はまだ積雪があるので、当初は会場である長者ケ原遺跡考古館の館内での開催予定だったが、この日のために休日出勤してくれた木島学芸員の提案で、屋外テラスに会場を移しての開催となった。
f0225473_2101418.jpg
紐きり式火起こしに挑戦する女の子四人組み。先週の縄文土器講座に参加して以来、縄文ファンになってくれたらしく「今度は何時やるの?」と嬉しい質問をしてくれた。頼もしい縄文シスターズの誕生だ。


初めて火起こしをする人が大部分だったけど、火起こしに成功して自分の起こした炎に慌てる人、周りで拍手喝采する人もいて、終始和やかな雰囲気だった。
震災が起こった時刻の2時46分少し前に館内に戻り黙祷の用意。
ちょっと前から曇ってきたのだが、館内に戻る頃には午前中の小春日和が嘘のように空は暗くなって寒さが厳しくなってきた。
一分間の黙祷を終えると窓の外は吹雪になっていた。
イベントの時は何時もこんなだが、縄文の神様が見守っていてくれたんだな、と実感。
参加者の誰もがそう思ったと思う。
f0225473_214213.jpg
おっかなびっくり火打石を試す女の子。表情が可愛い。火打ち金は100円ショップで買った金ノコの歯を台木に埋め込んだ手製。右手に持っている火打ち石はヒスイ製。ヒスイ加工をしている友人から端材を大量に分けてもらった。

もののハジメを知ることって大事だと思う。
スイッチを押せば部屋が明るくなったり、風呂が沸いたりするっていう日常的なことのハジメだ。
現代人の大部分は文明の利器の使い方を知っていても、その道理を知らないし、知らなくても生活に支障はない。
しかし便利さの裏側に潜むリスクだけは知る必要があるだろう。
夏に涼しく、冬に暖かく過ごせる生活の裏側に潜むリスクである。
大災害に遭遇した時に、自分で焚火ができる人ならしぶとく生き残れる可能性がある。
電気や石化燃料が無い時に、どうやってサバイバルするのか?灯りや暖をとる方法は?
女性諸君、これからはパートナーを選ぶ判断材料として、焚火が上手にできるかどうかを判断基準の上位にいれることをお薦めする。

原子の火の時代から、原始の火の時代に回帰するベクトルが必要だ。
いや、回帰ではなく見直して新しいライフスタイルを築くというのが本当だろう。
今がその転換期だと、俺は思う。
[PR]
by jhomonjin | 2012-03-11 21:18 | 日本海縄文カヌープロジェクト | Comments(0)
今日、3月4日は『縄文キッズ養成講座・縄文土器入門編』があった。
定員ちょうどの15名が参加して、けっこう盛況だったようだ。
来週は『縄文キッズ養成講座3・11震災の日に縄文の火起こしに学ぶ』だ。
月に一度は整体の講座も開いているので、テンテコマイの日が続く。
だから縄文来福(4回目)をアップするのを忘れてた。
来週は5回目をアップですわ。
それにしてもUターン帰郷して2年目、いつの間にか佳い仲間が増えたもんだ。
今回の企画者である小野さんと早津さん、除雪まで手伝ってくれた五十嵐さん、土田先生、水野さん有難うございました。

f0225473_22574645.jpg
土器作りを二時間で終えてから縄文カヌーの製作現場の見学会もするという欲張りな企画だったので、午前中は作業場の除雪だ。水野さんが買ったばかりの除雪機であっという間に車6台分の駐車スペースを作ってくれた。

f0225473_2302469.jpg
老若男女が程よく混ざってくれた。子供も大人も夢中になって粘土を捏ねた。還暦を越えたおじさんも童心に帰っていた。だから俺は「縄文キッズ養成講座」というネーミングにしているのだ。

f0225473_2351435.jpg
土器作りの後は縄文カヌーとご対面だ。大人は斧でカヌー作り体験、子供は俺が作った民族楽器で遊びまわっていた。プロジェクトの新規入会者も出てきている。今回の参加者に公民館の職員がいて、体験会の相談もあった。いい流れだ。


以下縄文来福(4回目)
企画書持参で最初に訪ねたのは、郷土史家の土田孝雄先生だ。
先生は大いに賛同されて、新聞に激励文の投稿までして頂いた。
ただ諸手を挙げて賛同してくれたのはごく少数派で、多くの人は話は聞いてくれても積極的に関与せずという反応だった。
中には行政やマスコミをスポンサーにしなきゃ絶対無理と、財源を問題視して計画を危惧する人もいた。
しかし無名で実績も無い一個人の、企画段階の夢物語に大金を出す程は世間は甘くないだろう。
だからこそ初年度は独力・自己資金で丸木舟を完成させ、計画主旨に賛同した仲間により市民団体を発足させることが第一。
二年度以降は各年度計画を着実に実現させ、経験を積重ねること。
そして青森までの航海が可能だと自他共に認める実力が伴うのに最低五年は必要という五ヶ年計画を建てたのだ。
わたしは夢の実現に必要なのはまずは情熱と行動、そして想いを一つにする仲間による組織作りこそが最重要であって、資金面はその後の課題だと思う。
多くの人を訪ね歩くうち、懸案の作業場提供の情報が舞い込んできた。
[PR]
by jhomonjin | 2012-03-04 23:12 | 縄文来福 | Comments(0)