21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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田んぼのめぐるイノチ・・・たくさんのイノチ ひとつのイノチ

2週間続いた研修先の田植え作業もようやく一段落した。
プロの農家にとっては最も金になる米作りの中で、四月の苗作り(播種)が最初の大仕事だ。
続いて田起し、代掻き、そしてメインイベントの田植えで、この一連の田んぼ仕事が終わるまでは休日返上の非常事態になる。

俺は倉庫脇の荒地に、自分の不耕起の畑を開墾させて貰っている。
その畑の整備や種播きがあるので、毎朝5時くらいに起きて早朝の仕事(趣味の園芸タイムといっている)、仕事が終わってから暗くなって手元が見えなくなるまでその続き、となかなかのハードワ-クだった。
その合間を縫って、倉庫で遅くまでガラクタ工作の家具作りだ。お陰で殺風景だったアパートの部屋も様になってきた。
四月と五月の一日の労働時間は、平均しても12時間前後だろう。
そして俺だけは日曜日に休日を貰って、自宅の田んぼの田植えだ。
つまりここ二ヶ月は休み無く身体を動かして働いている。
しかし自分の仕事は疲れないし愉しい。だから自分の仕事は仕事では無いな、と思っている。
遊びだ。面白半分の遊び、という意味では無く面白くて愉しいけど真剣な遊びだ。

研修先の田んぼは大規模なので、どうしても機械を使った工場的な流れ作業の連続となり、肉体的にもそうだが何より心が疲れてくる。潤いがなくなってくるのだ。
また忙しい時に限って突発的な事件が起こる。
耕運機でコンクリートの用水枡を壊した、羊の柵が壊れて羊が脱走した等々。
こういった時は俺の出番だ。携帯電話で呼出され、持ってました!と共同作業から抜け出して勇んで現場に駆けつける。
大工工事、土木工事などは得意なので、即座に材料と資材を揃えて対応する。
いつの間にか研修先で職人というニックネームが付いた。
コンクリート仕事も、最初の仕事がセメントメーカーの研究室勤務だったので得意である。
こういう仕事は、自分のペースで得意な事に没頭できるので俺は好きだ。

それに自分の自然農法の仕事は全て人力によるので、これも実に良い気分転換だ。
小規模な仕事を一人で心ゆくまで丁寧に出来る。
人が機械の一部になってする仕事ではなくて、鍬や鎌を扱って肉体を駆使するのだ。面白く無い訳はない。
こういった仕事は、ゆったりした速度感や緻密さが、人の身の丈にピッタリ合っているのではないか、と思う。
そんな仕事に没頭していると、何だか瞑想している感じ、静かに焚火や空、水平線をボーっと見ている感じにも似たモードに入っていく。

その田植え中の忙しい最中、田んぼで面白い光景を観た。
畦際に大きなシマヘビがいた。
近寄って観察していたら、青カエルが自分からシマヘビの口に飛込んで食われてしまったのだ。
自ら飛込んで行った様に見えた、というのが正確なのかもしれないけれど、確かにそう見えたのだ。
一瞬の出来事だったので、見間違えかもしれない。
ヘビに睨まれたカエルとは言うけれど、ヘビの催眠術に掛かってカエルは自分から飛込んだのか、それともたまたまカエルがジャンプした先にヘビがいたのか?
そしてカエルを食んでいるヘビのすぐ横に、別のアオガエルが慌てるわけでも無く横を向いてジッとしていた。
f0225473_22311665.jpg
カエルを食べるヘビ
ちょっと分かりづらいが、シマヘビがカエルを食っている所。
俺は爬虫類が苦手なので、携帯電話でおっかなびっくり撮った。
これが俺の精一杯の接写。





もしかしたら、田んぼという「場」の中においては、ヘビもカエルも区別は無く一つのイノチとして存在しているのか?たまたまヘビとカエルという区別はあるにしても、それは掌における親指と小指ほどの違いはないのかも知れない。
主語はカエルを食べるヘビやヘビに食べられるカエルでは無く、田んぼだ。
食べ食べられする関係でも、田んぼの中で巡っている一つのイノチなのかなあ、と思えて仕方ない。
カズさんの「アマカムナ」というCDの中にある「たくさんの命 ひとつの命」の世界そのままの光景を観た気がする。

ジェームス・ラブロックというイギリスの科学者の「ガイア理論」もそんな事を言っている。
その理論に共鳴して連作され続けているのが、龍村仁監督の「ガイア・シンフォニー」というドキュメンタリー映画だ。
自然農法家の川口由一さんも繰り返しそんな事を言っていた。

唄の世界や人の理論、映画に感動共感する事はあっても、自分で目の当たりに体験して、実感を持てた経験が嬉しい。
都会にいたのでは出来なかった体験だ。
田舎暮らしも捨てたもんじゃない。
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by jhomonjin | 2010-05-27 22:34 | 田舎暮らし