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21世紀の縄文人を目指す男の記録


by jhomonjin
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原始力を呼び起こす・・・焚火のススメ

阪神淡路大震災の時に、古武術研究家の甲野先生が復旧ボランティアに行って、倒壊家屋の廃材と鉈があるのに、避難所で誰も薪を作って焚火をする人がいなかった、と前に書いた。
テレビで東北の被災地を観ていたら、オジサン達がドラム缶で焚火をしている場面が映っていて、流石だな、と思った。
鉈が無かったら足で材木を踏み折ったりもできるが、こんな逞しさを持った日本人がどれだけいるのだろう。
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焚火犬
ラオス北部のアカ族の焚火。この写真の焚火法は違うが、東南アジアでは焚き木を放射状に組んで先端が燃えるとその分だけ出すという焚火が多い。少ない焚き木で済む効率的な焚火法。

炊き付けの古新聞が無くたって、落ち葉を集めたり、ちょっと危険だけどガソリンをぶっ掛けててでも火は起きる。
あるものをフルに活用すればいいだけだ。
ガソリンを危険じゃない度合いをちゃんと理解して扱えれば、これはこれで恰好いい。
色んな経験を積んで、どんな時でも頼りになる大人を間近にして育った子供は幸せだ。

しかし焚火が起きた所で、やたらと焚き木をくべて無駄に炎を大きくする日本人は多い。
そんな焚火をみると傲慢だな、と感じてしまう。
日本でも山間部のお年寄り達は上手に焚火をする。
上手な焚火とは、必要最小限の薪で、用途別に自在に炎を操れるという事だ。
焚き木として適切な樹種を使い分けて余分な煙を出さず、無駄に炎を大きくしない焚火は美しい。
暖をとるためなのか、料理をするためなのかで、焚き木の組み方やくべ方を変えるのが本当だ。
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焚火猫
ラオス北部のランタン族の焚火。犬も猫も焚き木を枕に昼寝するのがラオス流の焚火。焚火のある処はゆったりした時間が流れている。寝過ぎて頭を焼くなよぅ、と日本語で言ったら、ニャンダ?とこっちを見た所。

焚火は愉しい。じいっと見入ってしまう。
東アフリカのスワヒリ語では、じっと焚火に見入ってしまう事を『アナ・ポト・モトス』・・・火を夢見る・・・というのだそうだ。
人種が違っても焚火への想いは共通するらしい。

俺が東京に住んでいる頃、大阪の青年が俺を頼って上京して来た。
彼は反原発運動をしていて、東京での仕事とアパートが見つかるまで居候させてくれというのだ。
数週間後にアパートを見つけて引越しして行ったが、しばらくたってから様子を見にいってみた。
冬の寒い時期だったが、彼はアパートに備え付けられたエアコンで暑いくらいに暖房を付けて、半袖のシャツと半ズボンの恰好で部屋にいた。
二部屋あった部屋の全ての電気が付けられていて、パソコンも常時起動したままだ。
彼が口から泡を吹いて反原発を訴えても、俺は耳を貸さない。
不必要にでかい焚火を観た時と同じ傲慢さを感じるのだ。
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焚火猫の家族
山奥の少数民族だが、右端のご婦人は実に気品のある人だった。若い頃は美人だったに違い無い。あんまり居心地が良かったので、翌日お菓子を沢山買ってもう一度遊びに行った。典型的な放射型焚き火法。


彼は都会生まれなので仕方ないのかも知れないが、エアコンの様に火が見えない暖房設備に囲まれて育つと、人間の原始力は衰退していくのではないか?と思う。
仕組みが解らない生活道具、特に電気が動力の道具は、燃料が減っていくのが判らないので、動力は水や空気のように無尽蔵だと錯覚し易いのではないだろうか。
家電製品の節電にひとつアイデアがある。
見えやすい所に、電気料金を表示するのだ。現時点で今月の累計電気料金四千円なんてである。
それか電気料金をプリペイド式にするのだ。

小津安次郎の映画を観ると、昭和三十年代の男達は酒場でもコートを着たまま酒を飲んでいる。
ちょっと前まで、冬は部屋の中にいても寒いものだったのだ。
寒くて眠れなかったら、湯たんぽを布団に入れる工夫をすればいい。
身を縮めて、温かい春をひたすら待てばいいのだ。
『春よ来い』という童謡が身に沁みるだろう。
梅の蕾で春が間近であることを知り、桜が咲いて春の到来に喜び、鶯の鳴き声に歓喜するだろう。

熱帯夜に暑くて寝られなかったら、夏ってそういうもんなんだと観念したほうがいいと思う。
水枕を使ったり、風鈴を吊るしたりして、情緒的にも涼む工夫をして、涼しい秋を心待ちにしよう。
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オヤヂ達の焚火
ラオスのおとっつぁん達も焚火が好きだ。焚火のあるところが社交場。竹筒を持っているおとっつぁんは、水パイプを吸っている所だ。直接口を付けないので回し飲みする。ちゃんと仕事しろいっ!

春夏秋冬に応じた在りのままの昔の生活を、不便な生活として捉えるのではなく、風流な生活と捉えて四季折々の俳句でも作ればいいのだ。

日本国中でサマータイムを導入して、夏だけ昼休み二時間にして昼寝しよう。
夏の小田急線は地獄のように寒い。山の手線も寒い。
外を汗だくになって歩いて小田急線に入ると、俺は必ずウインドブレーカーを着る。
それでも寒い。まったく無駄だし傲慢だ。
by jhomonjin | 2011-03-31 22:59 | サバイバル